・地下格闘技編/願望

「……此処か」

俺は地下へ続く階段を見下ろし、呟いた。裏世界には命を賭けたプロレスが幾つかあるが、中でも此処は折り紙付きであった。『入ったら二度と戻れない』とまことしやかに噂され、何処にあるのかさえ定かではない地下格闘技場、俺が求めていた場所だ。其処では、『獣人』がプロレスラーとして参加しており、負けた人間達はその逞しい肉体を獣毛に覆われ新しい肉体と名前を与えられる。記憶も綺麗さっぱり無くなるらしく、『獣人』の一員として地下格闘技場の住人にされてしまうらしい。

その非道なルールと、男達が獣になる間際の断末魔、そして獣になった後の新たな生き様――その全てが観客に公開され、一部の富裕者の娯楽となっている。

俺は愛用している獅子を模したマスクを付け、鋼の肉体を包む背広を緊張させた。

「行くかっ!!」

暗闇の中に足を踏み出す。

長く続く階段を降り、二回踊り場を通過した先に広く開けた場所があった。照明がぼんやりと丸く辺りを照らしている。壁には顔が見えない様に曇りガラスになっている窓口があった。どうやら其処でチケットを見せ、観覧席に行くらしい。俺の他には誰もいないので、すぐに窓口に歩み寄った。

「お客様ですか?それとも挑戦者の方ですか?」

地の底から響く様な低音が、小さな窓から聞こえた。

「挑戦者……キョウと言えば分かるだろ?」

俺は世間で呼ばれている名を伝えた。『怒れる獅子・キョウ』。悪役の中でも特に質の悪い俺は、何でもアリのプレイスタイルで名を馳せていた――しかし、限度というものがある。仕組まれたプロレス、盛上りの決められたプロレス、型通りのプロレス。そんな物では俺の心の獅子は満足していなかった。もっと凶悪に、もっと残忍に、もっと屈辱的に相手を徹底的に敗北させ力を誇示したい願望が日に日に募っていたのだ。

そう、まるで俺は獣の様であり、獅子を象ったマスクは俺の願望を如実に表した物である。屈強な獅子になりたい――その願いを叶える場所があると知り、俺は此処に来たという訳だ。

「承知しております。右手のドアからお入り下さい」

がたんっ、と乱暴な音がして壁だった場所にぽっかり長方形の穴が空いた。ゆっくりと歩みを進めると、背後で壁が閉まった。後戻りは出来ない。

細長い通路の先は、古びたロッカールームであった。此処で数々のプロレスラーが着替え、二度と戻らなかったのだろう、人の衣類が山の様に隅に積まれていた。

この場所を探ったのは、俺の付き人である二人の青年である。高沢と金岡といった。どちらも熱心な練習生で、金岡はまだ17であった。二週間前に行方不明になり、ケータイのGPSが此処で途絶えていたのだ。

そのケータイが、持ち主の帰らない衣類の山の頂上に無造作に置かれていた。見た事のある衣服も、探せばあるかもしれないが、俺はそれ以上は手を出さなかった。

もう着る事のないであろう背広を汚い床に放り、持って来ていた衣装を身に着ける。一旦全裸になり、脂の載った逞しい肉体を一望した。胸は二つ縦に割れ、ぷっくらと膨らんでいる。太くがっちりとした腕と腿、それに野性味を帯びた黒い獅子のマスク。半分剥けたチンポは、太く、そして黒ずんでいる。ブーツとロングスパッツを穿き、仕込んである凶器を確認した。

「ようこそ、地下格闘技場へ」

背後には逞しい肉体を持った狼男が立っていた。茶色い毛が全身を覆い、マズルがぴんと沿っている。俺は初めて『獣人』を見て、興奮を隠し切れなかった。野性と凶暴性、そして人語を解する理性を湛えた瞳に、くっきりと黒のパンツに浮かぶチンポ、鼻を突く獣臭さ。俺の理想がそこにあり、その狼男は堂々と腕組みをしていた。

「支配人のシバで御座います。キョウ様、今回は是非叶えたい願いがあるそうで……」

「! 知ってるのか?」

俺は驚いて尋ねた。

「ええ……、彼等に聞きました」

扉を開けると二匹の黒猫の獣人が入って来た。がっちりとした肉体に、黒のボクサーパンツと同じく黒のロングブーツ――それは、間違いなく俺の付き人達の勝負服であった。おそらく、身長の低い方が金岡で、プロレスラーの体格の丸みが残る方は高沢だったのだろう。

「まさか……本当に…?」

「お察しの通り、貴方の付き人であった二人です。此処のルールですので、敗北した二人には我々と同じ屈強な雄獣になって頂きました――今はもうそんな事はすっかり忘れて、地下の住人として生きておりますが」

二匹の猫男は、闘志を剥き出しにして俺を睨み付けた。知っている男達だったなんて、まだ信じられない。

俺のチンポが固くなったのを感じた。野獣になる快感、それをあいつらは体感したのだと思うと、羨ましくて堪らない。だが――、

「話が早くて助かる。俺はヒトを辞めてケダモノに生まれ変わりてぇんだ――けど、今の記憶を無くしたくねぇ。それと、俺は強くて逞しい雄獅子になりてぇんだが」

自分で言っていて俺は興奮していた。金岡達の様に、記憶を無くして野獣になったら喜びも半減するだろう。それに、俺は百獣の王である獅子にしかなりたくなかった。

「……ふむ、珍しい方だ。承知しました。少し難しいのですが、何とかやってみましょう。その代わり、やはりプロレスで相手を倒さねば、貴方の願いは叶いません。負けたら彼等と同じ記憶も人格もまっさらな獣人になってもらいます」

「上等だ」

「では、ご健闘を祈ります」

一礼してシバと二匹の黒猫はロッカーを後にした。

噂に聞いていたエロレスではなく、あくまで一般的なプロレスのルールに則っているからか、客席は閑散としていた。だが、射精はやはり敗北を意味するらしい。リングの上には、固太りした筋肉と筋肉の巨乳を持った、厳つい中年期位の白狼の獣人が待っていた。くたびれたレスリングパンツと、汗で色褪せたロングブーツがこの地下格闘技場で過ごした年月を語っている。

「トウだ。よろしく」

背丈が俺より頭一つ分高く、獣の手を俺に差し出した。俺はリングに唾を吐いて、差し出された手を無視する。俺はヒールなのだから当たり前だ。

トウは顔を赤くし、牙の揃った歯茎を剥き出しにして怒りに震えた。元は真面目な誰かさんが獣に変えられてしまったのかもしれない。

「許さん!」

襲い掛かった速度は、その体型や大きさを考えると卑怯としか言い様がなかった。素早く、かつ的確に俺の腕を絡めとり、そのまま押し倒す。

「が…はっ……」

マスクの中が恐怖と痛みで冷や汗まみれになった。脇の下にも嫌な汗をかいている。だが、獣の力強さや臭い、表情、仕種、全てが間近で見られた事に俺は素直に感動し、いつもの様に相手を『屈伏させたい』という欲求が頭をもたげたのを感じた。

のし掛かろうとするトウの顔面に向け、もう一度唾を吐いた。

「ガァァアッ!!」

獣の声を上げ、怯んだ瞬間に足を胸まで引いて、勢いよく突き出す。俺に跨がろうとしていたトウは鳩尾を蹴られた為、バランスを崩し無様に尻餅を着いた。そのまま今度は俺がトウに跨がり、そのパンパンに膨らんだ胸筋を手刀で叩き付ける。

「グウゥゥッ!!」

獣臭い匂いに包まれ、俺は自らもトウと同じ野獣と化していくかの様な錯覚にとらわれた。

「本当にお前ここの住人かよ!弱ぇし狼の名が泣くぜ、おっさん!」

その時、ガッチリとホールドしていたはずの体が宙に浮いた。トウの馬鹿力で吹っ飛ばされたと気付くのにはコンマ数秒かかった。怒りに燃えるトウの眼は、俺が求めている野獣のそれである。トウが突進し、圧倒的な速さと力で、ラリアットが首に入る。何倍もの重力がかかったかの様に、俺は固いマットに叩き付けられた。痛みよりも吐き気が勝り、口の端からだらしなく涎が垂れる。胸に大きな足を置かれ、じわじわと圧力を加えられていった。

「ぬぐぅぅぅぅっ!!」

「人間の分際で我等のリングを汚すな!!お前も早く何もかも忘れて、我等と同じ屈強で神聖な獣人になるが良い!」

トウの裂けた口から、熱い獣の涎がぽたりと顔に落ちた。胸にブーツがぐっと食い込む。

「ぐわああぁぁぁああっ!!」

四肢をピンと伸ばしきり、俺は頭を振って苦しみに耐えた。朦朧とする意識の中、ロングスパッツの中の凶器に手を伸ばし、掴んだ。

「うおおおぉぉっ!!」

鉄製のメリケンサックを握り、トウの右足に突き刺す様に殴った。致命傷にはならないものの、頑健で毛深い脛は鉄の威力に揺らいだ。

「グオオォォッ!!」

悲鳴を上げてのたうち回るトウを尻目に、俺は態勢を立て直しつつ次の凶器になりそうな物を探す。

「卑怯者めっ!!」

罵声を浴びながらも、俺は観客席にあるものを見つけた――俺の十八番、パイプ椅子だ。

ひらりとリングを舞い降り、畳んだパイプ椅子を担いで再びリングに舞い戻る。片膝を着いて蹲るトウを俺は息も絶え絶えに見下した。

「俺のプロレスってのはなぁ、何でもアリなんだよ!ヒールっつーのはそういうもんだ、知らなかったのか、よぉっ!!」

パイプ椅子を降り下ろし、顔を守ろうとした左手首をピンポイントで狙う。嫌な音がして、トウは再び絶叫した。

「オラっ!神聖な?お前らは汗臭ぇただの野獣だろ?!えぇ?」

背中や足に重点的にパイプ椅子をぶつけた。痛みを与え、戦意を喪失させるのが目的であり、顔や頭は傷付けても気絶するだけなので面白くない。

「ケダモノなんだよ!俺と同じっ!!相手を屈伏させるのが気持ち良くてしょうがねぇんだろ?!ああん!!お前より俺の方がよっぽど雄獣に向いてんじゃねぇか!」

「グッ……ガアァァァッ!!」

弾みでマズルにパイプ椅子の角をぶつけてしまった。だらりと一筋血が流れる。ぐったりと大の字に倒れたトウは、満身創痍出会った。体の節々には赤く腫れ上がった傷痕があり、酷い箇所は血が滲んでいる。

「こんな……ルール違反…許せ……ない……」

掠れた声で哭くトウを、俺はあっさり無視した。ヒトと獣人、どこにフェアな要素があるというのか教えて欲しい。

「ヒールだからなぁ……ギブしても許してやらねぇぜ?」

俺は胸ではなく、大きなイチモツが仕舞われているトウの股間を踏みにじっていく。アクセルを踏む様に、強く、確実にそのぐにゃりとした触感をブーツ越しの足裏で楽しんだ。

「ウガッ!ギャアアアアアアッ!!」

手足を振り回し抵抗するトウだったが、苦し紛れの攻撃は宙に浮くだけで俺に掠りもしない。

「俺に平伏せよ!!この淫乱なケダモノがっ!!」

というのも、足の裏でトウのイチモツが固くなっていくのを感じ取ったからだ。これは、獣人達の本能というか性質らしく、チンポを弄くられるのにはエロレスに慣れているせいか敏感になってしまうらしい。

「み、見るなぁっ!!止めろぉっ!!」

顔を真っ赤にし、トウは叫んだ。が、止めるわけがなかった。爪先を使って、亀頭を強く擦る。

「痛ぇぇっ!!ウガァッ!!ンガアアアァァッ!お゛れは……負げねぇ゛!……グアアッ!!」

トウの痙攣がぴたりと止まると、舌をだらりと出し、目は虚ろに宙に向けられ、四肢の緊張が緩んだ。死んでしまったかと思ったが、気持ち良さと苦痛のあまり気絶してしまったのだとわかった。レスリングパンツには先走りがくっきりと滲んでいたが、射精には至らなかった様だ。最後の最後にそれだけのプライドをトウは守った。

パチパチと背後で拍手の音がしたと思うと、シバが笑って立っていた。

「いやはや……素晴らしい、それとも、最低な、と言った方が正しいのか……とにかく貴重な試合でした。確かに貴方の言う通り、プロレスにはそういう一面もあります。今回は、貴方の勝ちという事で、約束通りこれをお渡ししましょう」

シバが持っていたのは、黄色のカプセルであった。これを飲めば俺はついに念願の獣人になれるらしい。

「本当に俺のままでいられるんだな?」

「はい、特製ですので。しかし同時に獅子の力を手に入れる訳ですので、獣性、とも言いますか……、理性と相反する感情も受け入れて貰わなければなりません。それがどの程度貴方に影響を与えるのか……、これは今までで数例しかないのでわかりません」

俺はしばし考え込んだ。だが腹を決めてマスクを少し持ち上げ、カプセルを一息に呑み込む。

「ウッ……グアアッ!!」

汗だくだった身体にさらに汗が吹き出る。マスクは顔にぴったりと貼り付き、ブーツもぐっと窮屈になった。熱と筋肉がインフレーションしていき、ゴツく太い指先から尖った爪が飛び出し、変化が始まる。

「ウガァァァァァッ!!」

激痛の余り顔を天に向け咆哮する。ブーツの先が豪快に裂け、獣の足が飛び出す。ロングスパッツは急激な筋肉の膨張に耐えきれず、太股の辺りがビリビリに破け、トウの様な三角形のレスリングパンツに変わった。硬くごわごわした獣毛が生えていくが、それは俺に最も相応しい灰色がかった黒であった。首から下が完全に獣人の物になると、俺は痛みから解放され、快感の渦に呑まれる。少し身体を動かして見ると、ヒトとは違う獣の身軽さに驚きを禁じ得ない。

「ンアアッ!!早く俺を完全に獣人にしてくれぇっ!焦らすんじゃねぇよ!!」

誰に訴えるでもなく、俺は荒々しく怒鳴った。が、次の瞬間に俺は新たな進化の段階へ移行する。

「あ、頭がぁっ!!ウォッ!ウォッ!ウオオオォォォォンッ!!」

黒獅子のマスクが真っ二つに割れると、中からはそれよりもよりリアルな本物の黒獅子の顔面が現れた。瞳は金に貪欲に輝き、たてがみは更に深い漆黒。鼻は潰れ、肉体で唯一白い牙が糸を引く。仕上げとばかりに、パンツを突き破り長い尾が生え、先端にたてがみと同じ色の毛が生えた。

「これが……俺、なのか?」

声も更に低く、地の底から響く様な物に変わっている。全身を舐める様に見て、俺は驚きに浸っていた。

黒獅子――これが俺の新しい姿だった。

突然、突き上げる様な衝動が俺を襲った。それは、目の前で倒れているトウをもっと痛め付け、隷属させたいという加虐的な欲望である。俺に与えられた獣性は、どうやら俺がヒトだった時の延長にあるらしい。そして――俺の新しく生まれ変わった肉体を試したいという願望が、即座に俺を支配した。

骨を鳴らし、俺のボーナスゲームを始める事を知らせる。黒猫の小さい方が、俺に跪いて赤いカプセルを二つ渡した。シバをちらりと見ると、頷いて続きを促す。一つを手に取り、ヒトよりも数倍粘付く唾液で飲み込んだ。ざらつく舌が、口内を心地好く刺激する。喉がゴロゴロ鳴り、俺の残りわずかであった理性が崩壊していくのを感じた。パンツを覗くと毛に埋もれたチンポが屹立していき、先端の尖ったら動物独特の形状を現す。玉袋は黒毛に覆われたままだ。腋や頭に汗をかき、獣臭さがムッと立ち込める。それが俺から発生しているのだと考えると、むず痒い全身の快感に合わせて牙の間から淫らな唸り声が漏れた。涎がリングにボタボタ落ち、トウの中年期ながら逞しい肉体に目が釘付けになっている。

――犯シタイ……

俺の本能がそう囁いていた。何をすれば良いかは、既に黒獅子の身体が知っている。もう一つのカプセルを毟る様に取り、口内に含んだ。気絶しているトウのマズルを開け、口移しでカプセルを呑み込ませる。舌で強引に押し、たっぷり唾液を注ぎ込んだ。そのあと暫く俺はトウと獣独特の臭いのする息吹を肺で交換し合う。勿論、トウは気絶したままだったが、俺はトウを征服した達成感に満たされていた。今の人形の様なトウが、俺の所有物となったみたいで。

飽きたので再び大の字に寝かせて置くと、小刻みにトウは震え、俺と同じパンツを突っ張らせた臨戦態勢に移行した。身体が熱いのか、呼吸も浅く、俺よりも汗が白い獣毛を湿らせている。レスリングパンツに出来たテントの頂点には、既に先走りが染み出ており、指で触るとヌルヌル糸を引いた。

「溜まってんじゃねぇかぁ…」

嬉々として俺はトウの恥態を楽しんだ。ブーツの爪先から飛び出した爪で、トウの乳首をつつく。

「ウガァッ?!」

ビクンと身体が跳ね、トウは覚醒する。

「な……何をした?!俺は……まさか、お前!」

「そうだ。今日からお前の新しい主人になったキョウだ。お前は負け犬なのだから、勝者である俺に従うのが此処のルールだろう?」

「く……くそぉっ!!」

リングに拳を叩き付け、トウは全身を震わせた。

「お?良い歳したおっさんが悔し泣きか?俺によく見せろよ……ははぁ!マジで泣いてやがる!!お前、虐め甲斐があっていいよ」

顎先を握り、無理矢理上を向かせた瞳には、確かに水分が溜まっていた。

「お前は何で此処に来たのか教えてくれよ」

俺はどっかりと胡座を掻いて、トウの逞しい太股に腰を降ろした。丁度足を組んだ場所がトウの勃起したチンポを囲み、俺のチンポと擦れ合う。

「あ……そ、それは…」

困惑した表情でトウは口を閉ざす。すかさず黒猫の大きい方が俺に資料を手渡した。

「獣になっちまって忘れたのか ……、ほうほう、円山闘児、38歳、○×プロレス所属……」

そこには戦績と人間時のスナップ写真や、獣となってからの性質や行動が詳細に記されていた。

「地下格闘技の存在を知り、根っからのフェイスだった円山は憤り単身乗り込む。三人の獣人を倒すも、シバに敗れ獣化、白狼のトウに生まれ変わる。記憶を失ったものの、長年培われた正々堂々なプレイスタイルは変わらず、言動もフェイスが獣人に変わっただけで変化が余りない。が、エロレスにだけは抵抗を感じつつも獣の野性に抗えず、肉体を最大限に利用し、今までで七人の男を射精させ、全て獣化させている……、だってさ、良かったな、過去もわかったことだし」

しかし、トウは上の空で呼吸を荒くしていた。俺がブーツの裏でトウのチンポをこねくりまわしていたからである。

「ハッ……ハヒッ!!……」

添付された写真には、カメラに向かって太い腕を組み、爽やかな笑顔を向けている円山『だった』頃のものと、現在のケダモノに堕ちた白狼であるトウのものが対比される様に写し出されていた。円山はウルフヘアーに濃い顎髭、ムチムチした典型的なレスラー体型に、白のブーツとレスリングパンツのみを着用している。これはこれで中々ソソる雄野郎であった。

「ほら、これがお前のヒトだった時の姿だ……、カッコいいなぁ!フェイスで皆に慕われてたんだろ?でも今は……雄同士で盛り合うマジのケダモノになっちまってさぁ!ほら。もう此処こんなにねちょねちょだぜ!変態レスラーにされちまったんだよ!」「お……俺、俺は……ウグッ!!」

トウが悶えたので、俺は足コキを止めた。物欲しげな顔を此方にちらりと向け、即座に恥じ入る様に顔を逸らす。

「イキたいんだろ?この神聖なリングで雄汁ぶちまけてぇっす、って言ったらイカせてやるよ」

「だ……誰がそんなっ!!ウグォォッ!!」

「敬語使えよこの負け犬!!」

ガッチリ膨らんだ腹に一撃拳を沈めた。トウは苦痛に呻いたが、同時に全身を快感が駆け巡ったらしくチンポから大量の先走りが流れ、パンツをビショビショに濡らす。

「や、止めて下さい!!」

半泣きになりながらもトウは射精に強い抵抗を示した。俺はそれが気に食わない。何故、獣になった肉体を謳歌しないのか、射精の快楽に浸り、性欲の塊である自らを解き放たないのか、不思議でならなかった。

「俺が教えてやるよ……ケダモノの悦びってやつを」

ピチピチに張り詰めたパンツを脱ぎ、太く尖ったケモチンを取り出す。

「舐めろ」

トウは躊躇した後、恐る恐る長い舌でちろちろ俺のチンポを舐め始めた。こそばゆかったが、消極的だったので髪の毛を掴んで強引に根元まで食わえさせる。そのまま乱暴にトウの頭ごと動かし、ケモチンが喉の奥まで当たるのを確認してから強制的にフェラをさせた。

「グォッ!グォッ!グォッ!……」

喉を突く度に押し潰された悲鳴がトウから漏れた。屈辱に顔を歪め、目をぎゅっと閉じ、涙を溢している。時折、胃が痙攣するのか、全身を大きく身震いさせ、トウは嗚咽していた。しかし、その内に慣れてきたのか、はたまた獣の性欲が頭角を表したのか、トウの舌はある程度の意思を持って俺のチンポに絡み付いてきた。先走りが流れる汗の様に口内で迸ると、トウの舌は貪欲にそれを味わう。無意識で行っているのだろうが。

「……カッ!ハアアアッ!…や、やるじゃねぇか!!流石、七匹も雄を堕としてる訳だぜ。な、淫乱変態野獣」

チンポをゆっくりマズルから抜くと、先走りがボタボタ未練がましくトウの舌から零れた。

「はい……ありがとう、ございます……キョウ…さ、ま……」

獣としての本能に凌駕されつつあるトウの精神は、羞恥心に満たされつつも俺に従属しつつある様だった。それは、性欲の解放と共に生じた、弱肉強食の掟であり、俺よりも弱いトウは、俺に本能的に従うしかないのだ。

「これで最後だ、オラっ!ケツ出せ!!」

「そ、それだけはぁっ!!あっ!あっ!ガアアアアアッ!!」

トウのパンツも脱がした俺は、正常位でいきなり臨戦態勢のチンポをアナルに挿入した。最奥を突く度に哭くトウは、俺がレイプをしている(実際しているのだが)様で興奮した。腕で目を隠し、恥辱で真っ赤な瞳を見せまいとしているのが意地らしい。ブーツも脱がせ、蒸れた素足をお互いに嗅ぎあったり、生まれたままの獣の姿を確認したり、汗を互いの手にべっとりと取り、擦り付けあったりした。最後は体位をバックに変え、俺はラストスパートと言わんばかりに腰を激しく降った。

「ウオオッ!最高だぜっ!!お前のケツもチンポも肉体もっ!全部俺の物にしてやるっ!!ンァァアアッ!ケダモノ最高ーっ!!」

「ウアッ!駄目だっ!!ここはっ、気高いっ!ングッ!神聖な場所……なのにぃぃっ!!ウオッ!熱ぃ…俺ん中に、入ってくるぅ!嫌……嫌だあああああああっ!!」

俺が中出しすると、トウはそのまま手も使わずにトコロテンでイッてしまった。黄がかった濃い精子がリングに池を作る。俺は高笑いをし、トウからチンポを抜くと、トウはそのまま精子の池にびしゃりと倒れた。ケツからは俺の精子がどろどろ流れ出る。自尊心を失ったトウだったが、涙の跡の残る顔に、仄かに淫らな表情が現れ、ケツもひくつかせていた。俺の手下として、トウは新たなレスラーに生まれ変わるだろう。ケダモノの性欲を最大に開放する、変態レスラーとして。

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