○1.プロローグ
「ドルガノフよ……目覚めよ……」
地の底から響く声が、惰眠を貪っていた一匹の淫魔を呼び起こした。
立派な体躯を見せつける様に体を伸ばし、爛々と輝く瞳でドルガノフと呼ばれた彼は天を見つめた。そこは魔界であり、一面に闇が広がっている。淫欲に身を堕とした男達が、性欲の権化である淫魔達に責め立てられる場所であり、その男達もまた輪廻の理を外れて淫魔と化していく。三大淫魔の一人、ディークが治める世界だった。
「お呼びでしょうかディーク様?」
欠伸を隠そうともせずドルガノフはそう訊いた。脂の乗った筋肉に、淫らな体毛、皮膚は遥か昔に紫色に変わり、牙も角も、蝙蝠の羽根も生えている。下半身は茶色の羊毛が覆い、鞭の様な尾が垂れ、気ままに動いた。人間の時から巨大だったチンポは1000人の男を貫いたという呪が掛かっており、ドルガノフの魔力を高めていた。
「ダークの手伝いに向かえ」
ドルガノフは露骨に嫌そうな顔をする。
「魔力が私では足りません」
「……嘘を吐くな」
尖った舌をペロリと出し、惚けた表情になった。
「私から礼をしよう、向こうでは好きに生きて良い、どうだ?」
「ご自分で行かれるのが余程億劫なのですね」
「私ほどの魔力が向こうに行けば、世界のパワーバランスが崩れてしまう」
ドルガノフは一考した。確かにそれだけは避けたい事態だった。
「礼、とは何でしょうか?」
「ククク……分かっている癖に」
大地から数本の触手が飛び出し、ドルガノフを愛撫する。
「はひっ!!んああぁぁ……」
だらしない顔でディークの端末を口と尻で受け入れると、ほんの数秒後でドルガノフは絶頂を迎えた。溢れ出る清水の様に精液が噴き上がり、辺りの闇を一層濃くしていく。触手の先から魔力が注入され、ディークの配下でも五本の指に入るドルガノフは更に強化された。
「……上手く役に立ったら、私が直接相手をしてやろう」
「な……!?」
ディークは怠惰を司るのもあり、滅多に謁見など叶わない。それに加えて、相手をするとなれば垂涎ものだ。
「行きます」
「よろしい……ダークに全て任せてある。飽きたら帰ってきてよい」
「はっ」
立て膝を着くと、淫魔の足元に紫の幾何学模様が浮かび輝きを帯びていく。光が一瞬強まると既にドルガノフの姿は魔界にはなかった。
○2.贄
黒の全身タイツに身を包んだ、体格の良い青年達が基地の大広間には集っていた。S高やS大を始めとする、ダークノアに洗脳と改造を施された運動部員達である。ダークスウツに魅せられ、彼等はダークに絶対の忠誠を誓っている。アスリートとして完成されつつある肉体を淫靡に誇示し合うなか、室内は汗や精液の匂いが籠もっていた。しかしそれすらも、今の彼等にとっては興奮の材料でしかない。
大広間の真ん中には台座が置かれ、今夜の祝祭に相応しい贄が乗せられている。T高校の体育科教師である、権藤源太だ。全身を厳重に拘束された彼は、恐怖と混乱で頭がいっぱいだった。
ジムトレを欠かさず、高校と大学をラグビー漬けで過ごした権藤の肉体は、ラガーマンと一目で分かる体格を有している。黒のコンプレッションシャツを押し上げる胸筋は学生時代からほとんど衰えていない。爽やかではないが、女好きのする男っぽい顔と短髪には珠の汗が浮いている。30半ばの彼は、まだまだダークノアのターゲット層の範囲内だった。
淫魔を招く為の黒いラグビーユニフォームに身を包まれ、権藤はその時を何も知らずに待っていた。
「……来る!」
怪人の一人、デモンがそう叫ぶと、拘束された権藤の真下に紫の幾何学模様が浮かび上がった。粗野で野蛮な歓声があちこちで上がる。
ゾワッと嫌な気配が権藤を包み込んだ。
「や、止めろ……あ、ああ?!うあああああああ!!」
体内に『悪意』が侵入していくのを権藤は体感した。それは彼を侵蝕し、肉体を意のままに掌握し始める。逞しい筋肉は為す術もなく奪われ、神経系が乗っ取られていく。汗の流れ落ちる感覚や、体毛が擦れる触感、ソックスに覆われてもぞもぞ動く親指の爪先まで知覚が行き届いた。勿論、悪魔の快感を伴って。
「あ、頭がああ、変に、なあああ!!気が、狂ううぅぅっ!!」
鋭敏に研ぎ澄まされた感覚が、鋭い痛みになり全身を貫く。痙攣する身体には脂汗がじっとりと浮かび、権藤に着せられたユニフォームがピッチリ貼り付いた。太くて逞しいチンポがギンギンに勃ち上がり、竿や鈴口がスパッツに擦れていく。無意識ながらリズミカルに腰が動き始め、悩ましげで野獣じみた呻きが漏れた。筋骨逞しい雄は、色欲に支配されつつあった。
「んはあっ!!き、気持ちいいっ!チンポ擦れるゥッ!!」
痛みと快感は不可分になり、鈴口から透明で粘度の高い先走りが溢れスパッツとラグパンに濃い染みを作った。厳つい顔はだらしなく緩み、強面は恐怖と快感でぐちゃぐちゃにされてしまっている。熱っぽい瞳が、自分を今、侵略している何かに焦点が合わされていく。
それは、権藤には悪魔に見えた。
「気持ちいいか?もっと良くしてやろう」
悪魔が手をかざすと、権藤のチンポが激しく脈を打ち始める。
「があああああああっ!!」
権藤は弓なりになって快感を貪る。体育教師から男へ、そして淫欲に身を投じた野獣へと精神を貶められていく。
「お前の名は?」
「権藤源太……」
「私はドルガノフ。お前の肉体を掌握しに来た。さあ……私と一つになり、永劫の時を淫蕩に耽るが良い……」
「はあぁぁぁぁぁぁ……!!」
幾何学模様が瞬き、ドルガノフの腕が権藤の胸にズブリと入る。
「あ……俺…い、嫌だ……」
本能的な恐怖が、権藤を襲う。権藤の肉体ではなく魂が掌握され、ドルガノフと融合していくのを察知したのだ。しかし、全ては既に遅い。電撃の様に快感に撃たれ、権藤のチンポはスパッツの中に射精してしまう。理性は性欲に押し流され、ドルガノフの融合を拒む事が出来ない。勿論、それも折り込み済みなのが儀式だ。
「あ……あぁ……」
涙がつうっと流れ、四肢は抵抗を失い弛緩していく。テントの様に張り出したラグパンからは対照的に白い精液がびゅるるっと何度も吐き出されていた。その度に権藤は権藤源太である事を失い、ただドルガノフの為に在る肉体へと変貌していく。
「お前は何だ?」
「俺は……ドルガノフ様の為の……入れ物です…」
「ククク……良いぞ!お前を使ってやる」
「有り難き幸せ……」
虚ろな目で虚空を睨む権藤に、最後の一撃が加えられる。ドルガノフは権藤の体内に入り、いよいよ全てを把握して支配していく。
「ぐあああああっ?!」
時折、権藤の反射的な悲鳴が響き、肉体の改造が行われていく。淫魔としての機能を拡張されていく権藤はそれでも、自分の肉体を使用される喜びに恍惚としていた。
ビリッと布が裂け、淫魔と化した権藤源太の肉体が露わになる。禍々しい黒の体皮に、権藤自身のラグビーで培った脂肪と筋肉のバランスの良い肉体、蝙蝠の様な羽根に、長く多機能な尻尾、がに股に開いた股間からは、グロテスクなまでに赤黒く長いチンポ、下半身はドルガノフと同じで山羊の様な姿になっている。唯一顔だけは権藤源太のままであるが、それでも犬歯が尖り角も生えてしまっている。何よりも、表情の堕落が権藤の変化を物語っていた。
「……良く馴染む、素晴らしい肉体だ」
うっとりと自らの手足を眺め、権藤――いや、ドルガノフは呟く。権藤源太という男は、既にドルガノフに取り込まれ快楽の海に沈んでいた。
ダークノアの面々は、その圧倒的な力の前に竦んでいた。主であるダークには及ばないものの、それに追随しかねない程の魔力と性欲、怠惰で知られるディークが遣わしたのは、秘蔵っ子とも言える桁違いのレベルの淫魔だった。
「ダーク様に謁見を願おう」
権藤の肉体を掌握し、記憶や知能を総覧したドルガノフは悠々とそう告げた。禍々しく堕ちたラガーマンの身体を晒し、見せびらかす様に戦闘員達のもとに降り立つ。邪気に当てられ、近くに居たサッカー部員がガクガク足を震わせて黒い精液を垂れ流した。ドルガノフは愛おしげにその青年を撫で、権藤の肉体を操りキスをする。ダークスウツに包まれた青年の筋肉が何度か痙攣し、その場に崩れ落ちた。顔は紅潮し、胸が呼吸で収縮を繰り返している。青年はドルガノフにその一瞬で味わわれてしまったのだ。
「その辺にして貰わないと、我が下僕達は全滅だな」
厳かな声が室内に響き、倒れた青年とドルガノフ以外は一斉にそちらへ平伏した。高校球児の肉体を操る、ダークの姿がそこにあった。
「ダーク様が居れば、私などどうという事はありません」
武骨な権藤の身体を折り曲げ、ドルガノフは一礼した。
「この世界で魔術を使うには、たくさんの手順が必要だ。魔界の住人ならば、何か手があるだろうと踏んでいたが……まさかそんな召喚方法があるとは」
権藤源太だった肉体を、ダークはじろじろ見て取った。
「媒体に移る方が、手間は少ないのです。此方に来て貰った方が、魔力は落ちません」
「その男は、どうなったのだ?」
「淫魔に少しずつ変わります。つまり私の一部となり、時が来れば私の中から新たな淫魔へと転生して魔界に生まれ落ちるでしょう。今はただ、快楽を他の魂と共に貪っているだけです」
「反魂、か……えげつない事をする」
ダークは言葉とは裏腹に笑った。
「今回、貴方にお願いしたいのは『牧場』の管理だ」
「『牧場』、とは?」
「活きの良い男達がたくさん居る場所だ。そこで貴方は戦闘員に相応しい男達を見つけ、洗脳し、私達の下僕へと改造して欲しい。また、恒常的に『牧場』の男達を淫乱に変えておいて欲しいのだ」
「つまり、『戦闘員に適した雄を改造する事』と『全ての雄を淫乱にする事』、という事ですか?」
「そう考えて貰って構わない。貴方の好きにして良い」
ドルガノフはちょっとの間考えた。権藤の記憶を探り、自らがT高校というS高に並ぶスポーツ学校に勤めていた事を鑑みると、どうやら『牧場』とはT高校の事らしい。男子校で、体育の時間に見れる若い男子達は選り取り見取りだ。
「一人だけ、私に力を貸してくれる戦闘員とやらを下さい」
「良いだろう」
「……じゃあ、彼で」
倒れているサッカー部員を指差し、ドルガノフはにっこり微笑んだ。
○3.状況把握
S高3年サッカー部の栗本は、ダークノアの犠牲者としてはかなり早い部類に入る。蜘蛛男に改造されたサッカー部部長の悟に、後輩の新藤と共に戦闘員として改造されてしまう。黒い糸に包まれ、黒精で満たされた繭の中、栗本は全身に暗黒の力を注がれ、人外の者へと身を墜とした。蜘蛛男の忠実な部下である、子蜘蛛へと。サッカーで培った太く頑健な下半身はダークスウツに逞しいシルエットを詳らかにされ、上半身は正体を現せば異形の証である複数の腕が生えていく。青年らしい精悍な顔つきはしかし、黒く濁った瞳で台無しだ。短い髪はスポーツマンらしく、自然に立ち上がっている。
「ドルガノフ様」
サッカー部がダークノアの手に堕ちてから決まった、上下黒のサッカーユニフォームを着て、栗本はドルガノフの前に立て膝を着いていた。ユニフォームはダークスウツの擬態であり、着脱しても絶対に使用者から切り離せない。
「栗本章影、だったか?」
ドルガノフは上下をピッとしたスーツを着ている。栗本はもう一度深く頭を下げそれに応えた。
「ダークスウツ、とは便利なものだな」
ドルガノフのスーツは急に形態を変え、全身タイツの様にピッチリと逞しい肉体を覆う黒い皮膜へと変貌した。ソックスもネクタイも、全てがダークスウツの擬態である。
「まあ、私程の魔力があれば脱ぐ事も不可能ではないが……脱いでみろ」
栗本は立ち上がり、少しだけ抵抗のある顔をしながら言われた通りにユニフォームを脱いでいく。膝丈の泥だらけのソックスが脱がれ、汗だくのコンプレッションシャツが脱がれ、ハーフパンツが脱がれた。スパッツはもっこりと栗本のイチモツを露わにし、筋肉質な肉体に剛毛の覆う淫らな容貌をドルガノフの眼前に晒していく。
スパッツに手を掛けた瞬間、ダークスウツの機能が作動し、栗本のアナルへとスパッツが食い込んだ。筒状に変形したそれは核を栗本の体内に挿入する。
「んはぁっ!!」
ディルドの形状をした核が最奥部に入り込み、スパッツが漸く栗本から脱がされる。汗だくに汚れたユニフォームは、何も知らない他者に着せれば瞬く間に対象を改造し新たな戦闘員を製造する、ダークスウツの擬態型として利用される。
「ドルガノフ様……」
懇願する様な目で栗本はソックスとシャツの形に日焼けした淫らな肉体をテカらせながら震わせた。ダークスウツの核から新たな繊維が形成され、再び栗本を覆おうとしている。粘液状のそれは腸壁を滑りながら肛門へ殺到するが、ドルガノフが権藤の太い指を使って彼の秘所を塞いでしまう。核の微震動に合わせて、臍まで届く栗本のチンポがビクンッと脈を打つ。陰毛から続くギャランドゥに黒っぽい先走りが汗と共に絡み付いた。
「俺…だ、ダメです……も、もうっ!出るゥッ!!」
天を仰ぎ、栗本は虚ろな眼差しを更に深くして叫ぶ。ドルガノフの指をダークスウツが押し出し、縮れた熱帯雨林の様なケツ毛の上から瞬時に滑らかでタイトな表面を形成していく。一分の隙もない、黒光りする第二の皮膚に侵蝕され、栗本は恍惚としてその快感を貪った。歓喜の雄叫びと共に、全身と同色の呪われた精液がチンポから吹き上がる。顔にまで跳ねた精液を、ドルガノフは丁寧に舐めとってやる。権藤の舌は長く、先が尖っていた。完全にドルガノフと化した権藤源太の肉体は、ダークスウツの力も相まって凄まじい淫力を発揮している。
「可愛い奴だ」
戦闘員の姿に戻った栗本を一撫でした。精液でドロドロに汚れたダークスウツのまま、栗本は再び最敬礼を返す。無表情で意志の強い彼の瞳はしかし、絶え間ない恥辱と快感に揺らいでいた。
「ああ……これは凄い。たまらないなぁ」
脱ぎたてのソックスを鼻に当て、ドルガノフは嬉しそうに呟いた。汗と泥がスパイクの中で籠もった匂いは強烈である。権藤のジャージには、明らかに竿のカタチがくっきりと浮かんでいた。
「はっ!!汗臭い俺のソックスを嗅いで頂き、身に余る光栄であります!!」
こちらもまたダークスウツに包まれた厳つい肉棒をそそり立てながら応えた。
「これほどならば、問題ないだろう。私の目に狂いはないな」
栗本のユニフォーム一式をドルガノフは抱えると、そのまま右人差し指を中空で複雑に動かし、魔力を注ぎ込んだ。ユニフォームは一つの黒い塊になり、やがてマグネット式の健康用アクセサリーの様なものが幾つか出来上がった。
「これは……?」
「ダーク様の魔力と、お前の汗や精液、そして私の魔術で出来た呪具だ」
不思議そうな顔をする栗本をよそに、ドルガノフは満足げな笑みを浮かべた。
○4.使用法:T高校ラグビー部主将・峰岸の場合
「じゃあ今日のメニューはコレな」
「うっす!!ありがとうございましたーっ!!」
うへぇ、今日もこんなにあんのかよ。という言葉を飲み込んで俺はありがたそうにそのメモ用紙を権藤先生から受け取った。鬼の様な練習量で知られるウチの顧問は、どういう訳か先日の出張から帰って来て以来、俄然やる気を漲らせている。良い迷惑だっつーの。
ラグビーなんて、人気がないし、辛いし、汚いし、臭いし、怪我が多いし、モテないし。良い事なんて他と比べたら一つもない。無闇矢鱈にガタイが良くなるばっかりで、実際部員達は俺を始めとしてなかなか良いカラダをしている。が、それだけだ。マトモな服なんて着れないし。
かといって、ウチが強豪である事は間違い無くとも、同じ地区にあるS高校のお陰で霞みがちだ。どんなに練習したって、俺の代ではまず勝ち目がないだろう。
「はあああー……」
思わず溜め息が出た。このまま地区予選に行ってもほぼ確実に引退。頭も悪いから進学も危うい。彼女もいない。何も良い事なんかない。
「随分な落ち込み様だな」
不意に呼び止められ、俺は慌てて溜め息を中断する。権藤先生は苦笑して俺の肩を叩いた。
「悩みが有るなら、俺に言ってみろ。もっと自分に素直になるのが一番良いぞ」
にこっと爽やかな笑顔を浮かべる権藤先生に、まさかメニューが嫌でなんて言えなかった。
「あ、俺この前サンプル貰ってきたんだった。やるから着けて見ろよ」
黒っぽいリストバンドを取り出して、俺の右手首にカチリと嵌めた。マグネットの入ったアレっぽいカタチで、疲れとかが取れそうな感じの。まあ、俺はそういうを全然信じてないんだけれど。
「いやあ、俺も着けてるんだけど良くわかんなくてな」
じゃあ奨めるな、とは言えず曖昧に礼を言って俺は立ち去った。
「あー疲れたああ」
シャワールームの脱衣籠に汗と泥だらけのユニフォームを突っ込むと、右手首にぴったりと装着されたリストバンドが目に入った。
「あれ、外れない」
左手で弄くっても緩む気配すら見せず、まあいいかとそのままシャワーを浴びた。
(また胸筋が付いたかな)
泡を立てながら胸板を触って確認をする。ピンと立った大きめの乳首に触れ、不意にくすぐったいような感じがした。
(んおおっ?!)
同時にむっくりと俺の息子が起き上がり、半立ち、と言われる状態になった。小野の言ってた疲れマラかもしれない。そういえばオナニーなんて随分してないな。
辺りを見回すと、誰も俺の近くでシャワーを浴びていない。
(チャンス!!)
大胆にも俺は桶で前を隠しながら右手でセンズリをコき始めた。どうしてそんな事をしたのか、自分でもわからない。
――素直になるのが一番。
誰に言われたのか、そんな言葉が頭によぎり、その後はもう考えられなかった。夢中でオナニーに耽り、隠していた桶にたっぷり射精してしまう。
「んああっ」
シャワーの音が俺の喘ぎ声を隠した。桶には久しぶりのザーメンがねっとりと溜まっており、石鹸の匂いと共に、イカ臭い匂いが漂ってきた。
(……まだ足りねぇ)
そんな不満が湧き上がる自分に驚いたが、さすがにマズいと思い慌てて桶のザーメンをシャワーで流した。
それがきっかけだったのか、俺の性欲は日増しに強くなっていった。毎日三回はセンズリをこいて、それでも数日に一度は夢精してしまう。パンツを代えるのも面倒になったので、最近はザーメンを拭ってそのまま穿き続けている。お陰で股間は精子臭くて堪らない。
何故か俺は精子とか汗とか、そういう雄臭いものに興奮を覚える様になった。その点、ラグビー部はオカズの調達に事欠かない。ラグシャツ、アンダー、ソックス、スパッツ……仲間の汗臭い衣類がぶんながっている部室は宝の山みたいなものだ。
誰にも気付かれない様に、汚れ物を鼻に押し当て目一杯吸い込むとそれだけでイッちまう。男に、それもチームメイトに発情しちまう背徳感。問題はそれがバレてしまったらどうしようかという事だけだった。しかしそれもリストバンドを見つめれば、何でもない様な事の様に思えてくる。
『素直になれ……欲望に素直になれ……』
頭の奥でチカチカとそのフレーズが明滅し、また気分が良くなって来る。俺は許されている……。泥だらけの湿ったソックスに、俺の大量のザーメンがぶっかけられた。
「思ったより早かったな」
権藤先生は頬杖を付きながら俺にそう言った。体育教官室は、部活後の俺と権藤先生の体臭で充満している。
「先生ぇ……俺…俺ぇ……」
ラグパンを押し上げるマラを気にしながら、俺はまともな思考を働かせようと必死になっていた。しかしリストバンドの事を考えると呂律が回らなくなり、ぼんやりと頭に靄がかかっていく。俺は何を相談しにきたんだっけ?
「オナニーが止まらないのか?」
そう、それだ。何故それを先生が知っているのか俺は疑問にすら思わない。
「部員の汚い服で抜いてるんだろ?」
「あ……はいぃ……」
チンポがビクンと反応する。
「峰岸、それはお前が皆の事を愛しているからだ。皆の汚い汗も、臭えギアも愛せるなんてお前は優秀なキャプテンなんだな」
何だ。俺は皆の事を大切に思っているだけなんじゃないか。汗だくでスクラムを組んで興奮するのだって、おかしい事じゃないんだ……。
「お前をもっと、完璧なキャプテンにしてやろう。さあ、此処でお前の肉体を俺に見せてくれ」
「……はい」
権藤先生の言う通りに、俺はユニフォームを脱いでいく。汗で湿ったそれは、床に結露する程温かい。ザーメンを放つ毎に俺の肉体は雄臭くなっていったので、数ヶ月前とは比べ物にならないくらいバルクアップされていた。また、発汗量も凄まじく、体臭もキツい。オナニーのし過ぎで毛深くなった全身が、権藤先生の前に晒される。厚くなった胸板と今までは無かった胸毛が視界に入った。
「良い成熟具合だ」
「あ……」
じっとりと湿った肉体を弄り、権藤先生は新たなリストバンドを手にした。即座にそれを俺の左手首に装着させると、一層頭が働かなくなる。
「直ぐにでもダークノアに送りたいが、お前にはまだやって貰う事がたくさんある」
先生が何を言っているのかわからなかったが、リストバンドを着けられてから頭が、体がおかしくなり始めた事を思い出していく。
「今更気付いてももう遅い。お前はラグビー部員達を淫乱な男に改造する尖兵となるのだ」
毛深い両足首に同じリストバンドが巻かれ、身体の自由が利かなくなる。チンポは反り返り、先走りをとめどなく溢れさせていた。
「ククク…これで最後だ」
首にバンドを巻かれそうになり、俺は頭を横に振った。駄目だ!駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!!
カチリ、と無慈悲なロック音が響く。
「があああああああっ!!」
ドロドロと俺の心が書き換えられて行くのを表すかの様に、ザーメンが竿を伝い流れていく。
最高に気持ちが良い。
自分の生きる意味が、目的が、ダーク様の御心のままになった。
「素晴らしい気持ちです、ドルガノフ様」
権藤先生の肉体を掌握したドルガノフ様にお礼を申し上げた。四肢と首のバンドが俺を生まれ変わらせたのだから。
ラグビー部主将峰岸から、ダークノアの家畜1号へ。俺の肉体も、部員達の肉体も全てはダーク様の為に存在する。その為に俺はこれから部員達を淫乱な雄に改造していかなければならない。丁度、たった今、俺がそうされた様に。
「副将ももうすぐで堕ちる、二人でラグビー部を『牧場』にしなさい」
「はっ!!」
全裸で敬礼をし、俺は小野がやって来るのを待った。
ガチャ、と開けられた扉から恐る恐る小野は入ってきた。長身で五厘刈りの、厳ついが清潔感のある男である。ユニフォームを着直した俺は改めて小野の素晴らしい肉体に気付かされた。凛々しい眉に鳩の様な胸筋、汗だくのユニフォームも爽やかささえ感じられる。
だが、いつも通りで無い事もあった。小野の右手にはやはりあのリストバンドが着けられ、汗も尋常ではない。身体もかなり筋肉が付いており、股間はずっしりと重量感があった。
「権藤先生、俺はもう駄目です!!」
悲鳴の様にそう叫ぶと、小野はいきなりユニフォームを脱ぎ上裸になった。汗臭い匂いが俺にまで届く。
見事に割れた腹筋と豊かな胸筋が露わになり、同時に小野の爽やかさとはかけ離れた淫らな剛毛が明らかにされた。太く、汗をたっぷり吸った胸毛からは湯気がもうもうと上っている。童顔気味な小野とのギャップが堪らなく淫らだった。
ラグパンとスパッツも一気に脱ぎ去ると、俺くらいのチンポがギンギンにそそり立ち、潮を噴いていた。秘所もアナルも剛毛に覆われ、亜熱帯さながらである。小豆色の小汚いソックスのみを残して、小野は淫らに改造された肉体を俺に晒している。
「はぁ……キャプテンっ…俺の……俺のヤらしいカラダ、見てくれっ!!」
涙を流しながらそう懇願し、小野は勃起したチンポをズリ始めた。
「ククク…小野は露出趣味か……」
ドルガノフ様はそう言うと、俺にバンドを手渡して下さった。
「小野を此方側にしろ。それが最初のミッションだ」
「はっ!!」
俺は敬礼をし、小野に近付く。男臭い香りが漂い、暑苦しい距離感で俺は小野の肉体を視姦した。肉棒が脈打ち、それだけで小野は射精してしまう。
「くっせぇ雄汁だな」
体毛に絡まった精子を指で救い、小野のソックスに掛かった箇所を舐める。凄まじい酢の匂いが鼻を突き、俺はスパッツの中で果てていた。
「ほら、俺も変態になっちまったんだぜ」
俺は得意気にスパッツを脱ぎ、小野の眼前で広げて見せた。
「あ……あ……キャプテン、お前も…」
「小野のユニフォーム、すっげー興奮する。あーたまんねぇ」
落ちていたユニフォームを拾い上げ、汗でびっしょりのそれの匂いを堪能する。納豆みたいな匂いもあれば、イカ臭い匂いもある。その度に俺はチンポから精子を放出し、バンドにその力を吸わせた。射精する度にバンドを通じてダーク様にエネルギーが供給されているのだ。
「小野も俺みてぇな変態になろうぜ!!それで、俺達が皆を淫乱野郎に改造して、ダーク様に永遠にお仕えするんだ」
小野は困った様に首を横に振ったが、チンポは欲望に素直だった。
まず左手首にバンドを着けてやる。
「んはあっ!!」
「ほら、カラダは分かってんじゃねぇか」
ソックスを脱がし、湿った毛を押し付けて更にバンドを嵌めていく。
「あ……あぁぁぁ……」
イヤらしい顔付きになり、小野は段々抵抗をしなくなっていく。むしろ自分から喜んで肉体を差し出している様だった。
望み通り、俺は最後のバンドを首に付けた。小野は全身を震わせ、ダーク様の家畜へと堕ちた。
「あ゛あ゛ーっ!俺変態にな゛っぢま゛うぅ!!」
バンドから与えられる快楽と命令で、俺達は雁字搦めに思考を固められる。ダークノアの求める戦闘員になる様、俺達の脳内には刷り込まれ、それが至上の喜びに変わる。
「あっ!あっ!あっ!あっ!」
甲高い声で鳴く小野は、精子と共に今までの価値基準や固定観念から解き放たれていく。数分前の俺も同じだった。端正で整った顔は汗や土で汚れ、健全な肉体には野獣の如き性欲が満ち満ちた。抑圧されていた醜い願望が噴出し、小野の人格を歪め、俺と同じ家畜へと変える。
全身に精子のシャワーを自分でぶっかけ続けた小野は、邪悪な笑い声を上げて起き上がった。露出趣味に苦しんでいた時とは別人で、既にダークノアへの絶対的な忠誠が根付いている。四肢と首にはかっちりとバンドが嵌り、俺達が本当の仲間になった事を確認出来た。
「小野ぉ……」
「キャプテン……」
それ以上言葉は要らなかった。家畜になった俺達は、毎日盛り、新たな家畜を増やす。それだけを考えて生きれば良い。毛むくじゃらになった肉体を擦り合わせ、ザーメンだらけの股間を揉み合った。唾液でたっぷり湿った舌が絡み、汗臭い小野の体臭が俺の鼻を刺激する。全裸になった俺達を、ドルガノフ様はじっくりと鑑賞なさっていた。いつの間にか俺も小野も、空撃ちになる程果てている。
俺達は同時に精根尽き果て、教官室の汚れた床に倒れ臥した。肉体と精神を変えられ、疲労がお互いに溜まっている。他の部員達もバンドを着けさせてやらなければ……俺はキャプテンとしてそう心に誓い、ザーメンの水溜まりに頬を浸した。
○5.結果報告
T高ラグビー部の牧場化は簡単に成功した。その証拠に、今や部員全員が全裸にソックスというある種の変態的な姿で仁王立ちし整列している事からも分かる。反り返ったマラはギンギンになり、ダラダラと締まりの無くなった尿道から先走りが流れていた。
一糸乱れぬ整列も、チンポのヒクつきが水を注している。チームカラーの小豆色のソックスも連日の練習で色褪せ、悪臭を放っていた。
「……で、今日の練習を終わりにする」
権藤がそう言うと、部員達は声を揃えて一礼し、まるでおかしな事など何もないかの様にリラックスした雰囲気で談笑やストレッチを始めた。
「……でさぁ、俺訊いたんだよ」
「マジかよー」
「お前いっつもそれだもんな」
泥だらけに汚れた青年達は開けっぴろげに笑った。いつもと何ら変わりない会話。しかし、視線は互いのイチモツを盗み見ている。鼻腔は膨らみ、雄の体臭を嗅ぎ分ける。四肢と首には家畜の証であるバンドが全員にきっちり装着されていた。
ストレッチをする者も、勃起に構わず続けるので陰毛や内股に先走りが付いてしまっている。それを気にする素振りもないが。
「ああーっ!絡みてぇなぁ!!」
唐突に上がったその声に反応する様に、部員達は次々と立ち上がりパートナーを見つけてはカラダを密着させ、人目もはばからず愛し始めた。勿論、休日のグラウンドを貸し切っているから出来る事だ。
「山ちゃんサイコー!」「あぁ、そこ気持ちいい…」「んはぁっ!脇汗うめぇっ!!」「がばがばじゃねぇか、この変態!!」「馬鹿っ!早すぎっぞ……ああああっ!!」
雑談の様に隠語が飛び交い、数分後には部員達全員がザーメンをグラウンドに染み込ませていた。逞しい焦げ茶の肌には白い粘液が所々散っている。家畜になってから日の長い者は、淫らな剛毛がラガーマンに相応しく体表を覆いつつあった。
荒い息を吐きながら、彼等は何も疑問に思う事無く、ただダークノアの為に射精と性交を繰り返した。その内、時がくれば彼等もダークスウツに身を支配され戦闘員へと改造される事だろう。
高らかに雄叫びを上げ、小野の腸内にたっぷりと種付けをしている峰岸を見て、権藤は満足げに笑った。
「ドルガノフ様、お遊びが過ぎる様で……」隣に控えていた栗本が、恐縮そうに声をかけた。「よかろう、現世なんて久し振りなのだから」カカッと彼は大笑すると、栗本を抱いて影に消えた。