1
虚ろな目をした青年が、部屋の真ん中で胡座をかいて座っていた。全身はじっとりと汗ばみ、短めの髪が額に貼り付いている。白のハイソックスに、プロテクターの入った上着を着た彼は、どうやらフェンシングの選手の様だった。厚手のグローブは使い込まれ汚れが激しく、面当ては右隣の床に置かれている。籠もった体臭が彼を刺激し、更なる発汗を促した。
「う……うぅ………あ、…あぁぁ……」
太く、鳴き声の様な彼の声が部屋に響く。身体をビクビク震わせ、視線は宙を向いていた。角度を変えると、胡座の下に何か敷いているのが分かる。黒くて太い触手が、かれのズボンとスパッツを裂き姦通しているのだった。その触手は、部屋の端の椅子に座る、一見高校球児にしか見えない屈強で爽やかな坊主頭の少年の影と繋がっている。
「長いな……」
少年の肉体を支配しているダークは、彼の予想外の抵抗に驚いていた。彼は既に一時間近く、ダークに弄ばれ、いつ堕ちてもおかしくない素体であった。触手がグイッと彼の中に入る。彼は小さな悲鳴を上げ、涎を垂らした。
「データを」
「はっ、ただいま!!」
さっ、と全身を黒でピッタリ覆った男がダークにファイルを手渡す。『素体リスト』と書かれたそれは、既に辞書の様に厚くうち2割程度が赤く判が捺してある。『洗脳・改造済』と書かれた判が――。
「西岡達哉……S大フェンシング部、部長……21歳……性交経験なし、週2回程度の自慰行為……剣道部主将の堂島茂と交流有り……人柄は面倒見が良く、真面目……」
ダークがデータを読み上げると、彼――西岡達哉は恥ずかしさからか再び高い喘ぎ声を出した。
ダークの背後から、背の高く筋肉質の男が現れる。胴と籠手を着け、袴を履いたその男は、珍しく人間体であった。堂島茂は、とある理由によりダークノアの怪人に改造された男である。実直で快活だった人格はすっかり変わり、淫らで、ダークの為なら何をも厭わない従順な下僕になってしまった。普段は、同じく洗脳された剣道部員達を率いる牛怪人・タウロとして暗躍している。今回の西岡達哉を拉致したのも、何を隠そう茂なのであった。
「お呼びでしょうか、ダーク様」
冷たい床に跪き、汗で光る頭をダークに下げる茂。動きには無駄がなく、瞳は真剣そのものだった。自分を陵辱した相手に忠誠を誓う構図に疑問を抱く者はいない。ダークノアの洗脳と改造から逃れられた者が一人もいないからだ。袴を押し上げる、茂自身を気にしている素振りはない。厚い胸板ははだけていたが、擬態したダークスウツにより機能性Tシャツの様に見える。
「西岡達哉がもうすぐ我等の同志になる」
「はっ、ありがたき幸せであります」
その時、初めて茂の表情に変化が表れた。狂喜――、そんな単語が最適な笑み。それは野獣めいていて、粗野で邪悪だった。
「ここまで耐えたという事は、怪人素体としても適合するだろう。『テスト』してやれ」
「はっ、かしこまりました!」
勢い良く立ち上がった茂は、股間が熱く疼くのを感じた。
2
西岡達哉はこの異常事態に必死に抗っていた。既に心身は陵辱され尽くしていたものの、射精に至らなかったのは、それが自らの『最期』である事を直感しての事だった。事実それは正しい。射精してしまえば、男はみなダークの手先へと作り変えられてしまう。
根性で耐え抜いてきた彼の目の前に現れたのは、親友の堂島茂であった。西岡はすぐに堂島の異変に気付く。竹刀は黒く、中に着たシャツは胸筋をアピールするかの様にピチピチに彼を締め付けていた。
「お……ぁ…堂島ぁ………」
西岡は切れ切れに親友の名を呼んだ。リズミカルに体内の触手は脈動し始め、新たな肉欲を西岡に与えていく。堂島はそれを無表情で眺めていた。
西岡はそこで堂島に起こった事を悟る――あいつは射精しちまって、ここにいる奴等みたいにされちまったんだ――。実際それは正しいのだが、問題は西岡よりも大分前に堂島はダークの手に堕ち、怪人に生まれ変わっていた事である。
「あぁ……た、助け……ひぁ……」
西岡が虚空を掴み、涙をつうっと流した。圧倒的な絶望が彼を襲う。堂島は西岡に覆い被さる様に屈み、汗ばんだ身体を絡み合わせた。
「西岡も早くこっちに来いよ」
「あ……やめ……気持ち…わ……り……んぁ、汗……くせぇ……ヤらしい……ニオイだ…あ、ああああ―」
ジワッと西岡のスパッツに先走りが滲んだ。身体の全てが弛緩していく。堂島の怪人としての能力が発揮されていき、裸足だった足は漆黒の蹄へと変わる。
「西岡良いぜ……エロいなぁ。本当は淫乱で変態野郎なんだぜ、俺達」
「そんな事……ぅぅぁあ…ね……え…」
堂島のゴツい指が、西岡の股間に這う。西岡は敏感に身体を仰け反らせ、嬌声をあげた。
くちゅ、くちゅ、くちゅ…
ダークスウツに覆われた五指を駆使し、堂島は西岡を責め立てていく。既に胴着の下は完全にダークスウツとなっていた。
「ああああ!!や、やめ!!くおおお!」
羞恥に顔を赤らめながらも、西岡は着衣したままイかされてしまう。数日ぶりである事と、他人からイかされてしまうのが初めてである事、それに、ダークと堂島の邪悪な力により増幅された性欲が、西岡達哉という人格を踏みにじり、ケダモノの如く肉欲のままに射精させた。本能に直結した、その快感は西岡の心身を歪ませ支配していく。ダークはその隙を見逃さない。
スパッツ越しに溢れた精液を、堂島は嫌がる西岡の顔や胸に塗りたくる。西岡は激しく首を振りながらも、一度与えられた快感を無意識に求めていた。
「ほら、こんなに西岡もザーメン出して……俺に手コキされてイっちまたんだよな」
スパッツをめくり、西岡自身に中で果てた大量の精液を見せる堂島。繊維を透過しなかった分は内部に溜まり、陰毛や太ももをドロドロに汚している。キツいイカのニオイがむわっと立ち上り、赤黒く半分剥けた西岡のチンポがヒクヒクと痙攣していた。
「み……る…なぁ…!」
「この量と質……俺が思った通り、Aクラスの素体だったな。『テスト』合格であります!!」
堂島がそう宣言すると、ダークは不敵な笑みを浮かべた。右中指をくいっと持ち上げると、西岡を貫く触手が脈動する。
「!!、あ、うわああああああああ!!」
西岡の絶望的な悲鳴があがった。熱を持った液体が、触手の先から胎内に放出される。それはドロリとしていて、西岡には見えなかったが黒色をしていた。『黒精』と呼ばれる邪悪な力により汚染された精液で、ダークノアは素体の心身を洗脳し改造するのである。黒精に汚染された者は、自らの精液も黒精へと変えられ、それを基にしたダークスウツが体表を隙間無く覆う事で戦闘員の一員となる。ダークスウツは、ダークノアの証でありダークへの忠誠の鎖なのだ。装着者の意志で自由に形状を変え擬態させる事が出来るが、脱いだり、身体から切り離す事は出来ない。
「あ、熱い!!腹が……裂けちま……うぅ!!」
細身ながらも筋肉を有した、武人特有の西岡の肉体を余す所なく堂島は愛撫していく。西岡の腹部は既にぱんぱんに張り詰め、黒精が全身に回りつつあった。
「やめ、は、孕んじまううぅぅぅ!!」
顔を真っ赤にし叫ぶ西岡は、その発言の卑猥さ、あるいは下品さに気付いていない。本人の気付かぬ間に、精神に黒精は作用する。肉体も少しずつ改造され、筋肉はボリュームアップし、薄かった体毛は濃く黒々と茂り、ヘソと陰毛が淫らに汗だくに直結し、ハイソックスの中では萎れた脛毛が密生し始めていた。汗だくの肉体はローションでもかけたかかの様に照り、さらに止めどなく溢れている。その上、西岡という個人が特定出来るくらいの体臭が辺りに漂い、堂島の汗臭さと体臭と相まってひどく男臭い部屋のニオイを醸し出した。
肉体の変化とともに、西岡の価値観や思考にも黒精は影響を与え始める。毛深い堂島の体に視線は固定され、滴る汗を浴びる事に抵抗を感じない。深い闇の色をしたインナーシャツに浮かぶ、堂島の勃起した乳首は厚い胸でさらに存在感を増していた。そして、西岡はようやく堂島の衣服が既に剣道着ではなく別の何か、ダークスウツへと変わっている事に気付く。熱く屹立した堂島の肉棒が、西岡の汚れた内股に押し当てられる。指先まで黒に包まれた手が、西岡の両手首を掴んだ。視界に入る堂島の姿は、半ば怪人と化している。漆黒の鞭の様な尾に、坊主頭を突き破る牛の角、下半身に密集する獣毛、それらがアンバランスに混ざり、西岡を恐怖させた。が、同時にその友人である化け物に激しく犯されたい、という信じられない欲求が正当化されつつある。
堂島は西岡の顔に付いた精液を舐め、そのまま西岡の口内を舌で弄った。西岡は最早抵抗せず、諦めた様子でそれを受け入れる。堂島が意地悪く笑うと、西岡の顔が羞恥に歪んだ。青臭い、自身の精液と獣の様に流れ込む堂島の唾液。西岡はそれらを無意識に貪る。乳呑み児の様に何の疑問も躊躇いもなく、自ら淫蕩な行為を率先して行っていく。
「どうだ?」
堂島が唇を話し尋ねる。二者の間には、長く粘っこい糸が幾筋か引いていた。
「う……まい…」
荒い息で答える西岡には、もうダークの端末である触手が刺さっていない。じっとりと汗で縮れたケツ毛に、ねっとりと濃い黒精が絡み付いている。溢れ出した黒精は、内股を伝いハイソックスやズボンを汚す。たっぷり種付けされた西岡を待つ運命は、たった一つだった。
「まだ……足りねぇ…」
左手の中指と人差し指をアナルに挿し、西岡は虚ろな目で呟く。ダークの種付けした黒精が、ローションよりも有能に西岡の肉体を刺激していた。再び西岡のチンポが隆起し、跨がっていた堂島の身体に触れる。
「もっと……もっと…、俺、どうしちまったんだ……?あ、恥ずかしいのに…堂島の前で……俺……犬みてぇにサカって……、でも、んあっ!、止めらん、ねぇ!!ヒグッ!!」
「いいぜ、その調子でどんどん自分に正直になっていけ。お前の欲望をダーク様に捧げるんだ……、身も心も、俺みたいにな!!」
「堂島、は……ぐぉ…、ダーク……様?、に何もかも捧げてる、のか?……あ、ひぃっ!!」
「おう!この身体も心も、全部ダーク様に捧げてるぜ!!」
異形の姿を誇らしげに見せつける堂島は、筋肉質で雄臭かった。西岡はそれを羨ましい、と感じる。体内に注がれた黒精が全身、そして脳にまで回る。
「あ……がああっ!!」
目を大きく開き、西岡は弓なりに跳ねる。全身の熱は疼きに変わり、脳にダークへの忠誠心が刷り込まれていく。
「嫌だぁぁっ!止め、うわぁぁあぁああぁあ!!」
「西岡もイイ線行ってるな、たまんねえ、その顔」
堂島が喚き立てる西岡の顔を舐め、その厚く隆起した胸板に西岡を押し付けた。西岡はたっぷりと堂島の谷間に溜まった汗を舐め、匂いを嗅ぎ、親友の逞しい肉体を味わい尽くす。
「雄……筋肉…汗、男…殖やす、あああ゛あ゛あ゛ッ!!気持ちいいぃぃぃっ!ダーク、さまぁっ!ダーク様のお陰で俺、こんなに淫乱な野郎になって……」
「栄えあるダークノアの一員になるんだぜ」
「う……あぁ…うれ、しいで、す……俺……」
西岡はだらしない笑みを浮かべ、頷いた。西岡達哉がダークノアの軍門に下った瞬間であり、理性はダークにより植え付けられた悪しき力により砕け散る。腹の奥底から頭の奥や手足の先にまで、生き生きと邪悪な力が満ちていく。西岡の屈服を待っていたかの様に、あるいは、西岡の洗脳を祝福するかの様に、ダークパワーが西岡達哉を蝕んだ。西岡はそれを快感としか感じず、身を包む巨大な力と一つになっているカタルシスを味わっていた。
「あ……は…ぁっ!」
新たな駒の誕生の瞬間である。西岡の精神はダークに屈し、肉体は完全に掌握された。チンポからは黒精が噴水の様に噴き出し、汗で汚れたプロテクター等のフェンシングスーツ一式を斑に染めていく。ダークノアの手先として、まず最初に自分自身を改造していく西岡。黒精は衣服に染み、フェンシングスーツは黒精と化学反応を起こしダークスウツの応用型として有機的に成長した。全身をギュッとタイトに引き締め、漆黒のフェンシングスーツと化したダークスウツは、西岡の発達した筋肉をくっきりと露わにした。その姿はさながら暗黒の
ナイトである。落ちていた面は禍々しいオーラを帯び、これも真っ黒に染まっていた。
吐精も終わり、ダークスウツが定着すると、西岡はムクリと起き上がった。堂島に目配せをし、不敵な笑みを互いに浮かべる。精液が染み込んでいる筈のスパッツやフェンシングスーツは、西岡の発汗量程度にしか濡れていなかった。それも、ダークスウツとして融合を果たした結果であると今の西岡にはわかっていた。数分前まで真剣な練習の積み重ねで薄汚れていたフェンシングスーツは、今や綺麗な漆黒に塗り潰されていた――丁度、西岡の心の様に。
小脇に面を抱え、ダークに跪き頭を垂れる。シルエットから更に筋肉が増し、野性味のある雰囲気へと西岡は変化していた。
「西岡達哉、ダーク様に永久の忠誠を誓います」
紳士的な仕種だったものの、股間のイチモツは雄々しく隆起していた。西岡の頭にはダークノアへの忠誠が一分の隙もなく支配し、同時にそれを誇りにさえ思っていた。ムッと匂い立つ自身の痴臭に、どうしようもなく感じ入る。既に西岡は、ダークノアの戦闘員としてのアイデンティティを甘受していた。男を犯し、廻し、屈服させ、自らの仲間に改造してやりたいという、戦闘員の本能に目覚めてしまっているのである。
そんな姿を後ろから眺め、堂島茂は興奮を禁じ得なかった。先程まで抵抗していた親友が、自分達と同じ野獣の身に堕ちたのだから。改造され発達した筋肉と、今までは感じない程度だった雄としての匂い、何より悪に身を堕とした証拠である漆黒のダークスウツ……真面目で練習一筋だった堂島自身の過去を重ね合わせ、歪んだ性欲から西岡の洗脳と改造を堂島は祝福していた。
「タウロと並ぶ良い素体だ……」
ダークが呟く。堂島の周囲にこんなにも良い逸材が居たのは僥倖というしかなかった。掌から更に邪悪な珠をダークは取り出す。戦闘員を異形の姿である『怪人』へと改造、或いは昇華させる黒玉と呼ばれるものだった。西岡は黒玉を恭しく受け取ると、躊躇う事無く口に放り込んで嚥下した。
「う!!うぐああっ?!」
全身を貫く異変に、西岡は身を強ばらせた。痛みと快感が身体の末端から押し寄せ、西岡達哉という素体に最適化した怪人へと肉体が変形していく。
「あっ!あっ!あっ!わあああああああっ!!」
怪人にして戴く――戦闘員として最高の名誉を感じながら、西岡は痛みに涙しながらも恍惚とした表情を浮かべた。それを祝福するかの様に、後ろから堂島が、前からはダーク自らが悶える西岡を抱き締める。
「――――!!」
言葉にならない雄叫びをあげ、西岡は意識を失った。
3
フェンシング部1年の霧笠が目を覚ますと、そこは2畳にも満たない薄汚れた牢獄だった。何が起こっているのか記憶を辿ろうとしても、曖昧としている。フェンシングの試合着を着ている事から、部活中に何かあったのではないかと推測出来たが、強いて役に立つものでもない。
取り敢えず靴とグローブを外し、身動きの取りやすい様にする。ダメ元で唯一の入り口の扉を握るが、ビクともしなかった。「…………ぁぁぁっ!!」
どこか遠くから、何となく淫らな様子の悲鳴が聞こえる。霧笠は本格的に自分の状況を案じ始めた……。
牢獄に捕らえられてから、数日が経過した。霧笠は勿論、今が何時で、何日経過したのかは知らない。ただ、食事はたっぷり与えられていた。牢獄には姿見とトイレが向かい合って備え付けられていたので、不本意ながら自分の情けない姿を見ながら排泄をする事になる。霧笠は数回で慣れてしまっていた。
今、姿見に映っているのは、まばらに無精髭が伸び、ワックスの効果が無くなり無惨な髪型の小汚い青年だった。風呂には入れないので、スポーツウェアを着続けるとどうなるか知っている人にはすぐにわかるが、化繊特有の汗臭さが霧笠を覆っている。脇をあげて、クンクンと匂いを嗅ぐのも日課になりつつあった。インナーシャツは汗を乾かす機能の限界量をとっくに越している。ソックスは足裏が汚れ、毎日履いているので酸っぱい匂いが染みつつあった。霧笠は素足でいようか考えたが、衛生的な面から止めた。数日放置されただけでこの有り様とは、人が獣の一種である事を痛感させられた。
(風呂入りてぇ……)
霧笠は異臭に耐えながらも、強くそう感じている。精神力は集められた素体の中でも抜きん出ていたが、それでも人として既に限界まで来ていた。
娯楽もないので、自慰をするのにも一苦労だったが、どういう訳か霧笠は毎日毎日一発抜いてからではないと収まりが悪く、寝付けなかった。普通は週に一度、するかしないか程度であるのに、牢獄に来てからはチンポが勃ち、抜かない事には気が休まらないのだ。勿論それは食事に細工がしてあったのであるが、霧笠はそんな事には気付かない。いつも通り野獣の様に貪り、その後、猿の様にチンポを弄くり回した。それも、最初の頃はAV女優等がズリネタであったのにも関わらず、最近は自身の脇が専らとなっていた。いない美女よりある性的な匂いの方が、霧笠の趣味嗜好を超え作用している。チンポからは精液の匂いがし、汗ばんだ陰毛からは脇と同じ濃密な雄の匂いがした。
「………んああっ!!」
ビュル、ビュル、ビクンビクン……
霧笠は半ば人としての尊厳を失いつつあった。口の端から溢れた涎をグローブで拭き、片足を持ち上げソックスの足裏を直接鼻にあてがうと、連続して2戦目に突入した。
(俺の他にも、牢獄に捕らえられたヤツがいるのか?)
(西岡部長や、桑田副部は?)
(俺みたいに小汚い格好で、汗臭くなってるかな?)
霧笠は尊敬する先輩が自分の様に辱められている姿を想像していた。筋肉質でエネルギッシュな西岡が逞しく淫らにセンズリしている所、純朴で好青年の桑田が体臭を嗅いで髭面を快感に歪めている所を。
「んおおおっ!!たまんねぇぇっ!!」
心の叫びが口を突いて出たのに、霧笠は気付かなかった。予想外のタイミングで堰が溢れ、手をドロドロに汚す。フェンシングスーツやインナーには、そいいう精液の飛沫が散っては乾燥している。もし、霧笠が今自慰をしていなければ、隣室の絶叫が微かに耳に届いただろう。
「うがああああああ!!ぐああああああっ、あ、ひいっ、ああぁあぁぁぁあああああ!!」
そしてそれが、ズリネタだった桑田のものである事も気付いただろう。
霧笠は知らなかったが、フェンシング部の部員達は全員霧笠と同じ牢獄に捕らわれ、実験の素体として記録されていた。霧笠の行動も全てモニターされ、激しいオナニーも逐一録画されている。しかし、霧笠はこの実験では例外傾向の1人であった。年若い彼等は食事から摂取されたダークパワーに侵食され、2日も経たずに10日目の霧笠と同じ、あるいはより酷い精神状態になってしまった。丸1日オナニーをし続ける者、ソックスでオナホを作る者、感応度の高い者の中には、食事だけで戦闘員としての洗脳と改造が済んでしまう素体も居た。噴き上げる黒精が、加速度的に素体をダークの下僕へ改造していく。
そうでない者も居たが、彼等は第2の実験で全員同じ末路を辿った。桑田や、霧笠がこれからそうなる様に。平行して行われたもう1つのその実験は、今までのダークノアの活動の結果から導かれた応用実験であった……。
西岡は霧笠の牢獄の扉を開けた。霧笠の痴態や、淫乱になった姿はモニターで見ていたが、やはり生では段違いに興奮する。部屋の中央で堂々と自慰をしていた霧笠はポカンと扉を見つめていた。カッコ良かった筈の彼は、雄臭く、暑苦しく、それでいて不潔だった。
霧笠は全身を黒いフェンシングスーツで武装し、面当てをしたその男に見覚えがあった。が、あまりにもシルエットが違うので困惑する。そして、今の自分の姿を他人に見られた事が酷く恥ずかしかった。
「良い素体だったな。お前も、桑田も」
黒い騎士が言葉を発し、面を取った。よく見知った部長が、汗みずくでそこに立っている。しかし、目はどす黒く濁り、爽やかさはねっとりとしたいやらしさに変わっていた。
西岡が手招きをすると、同じ真っ黒なフェンシングスーツを着た3人が現れた。真ん中の1人は真っ黒の面当てをし、ぐったりと体重を両脇の2人に支えられている。支えている2人は、面当てをしておらず、霧笠の同級生である事がわかった。無表情だったが、目の奥にギラつく野獣の輝きが秘められている。無精髭や汗臭さが、霧笠と同じ状況に居た事を窺わせた。
「床井は6日前、関谷は4日前に被験体になってもらってな……大成功だったよ」
「な、何を……」
霧笠が一歩詰め寄ろうとすると、床井と関谷が立ちはだかった。筋肉質な肉体になり、冗談を言ったりはしそうもない。
「昨日は桑田だ……外せ」
「「はっ!!」」
軍隊の様にキビキビした動作で2人は支えていた男の面を外す。中からは恍惚とし、薄目で快感を享受している桑田の姿があった。無精髭に侵され、鼻水や涎がぐしょぐしょに顔を汚している。汗ばんだ坊主頭からは湯気が立ち上り、雄臭さを部屋に充満させていく。
「桑田……せんぱ…い……」
霧笠が呆然として呟く。幼い顔立ちの桑田に、邪悪な笑みが走る。股間が痙攣し、射精しているのが見てとれた。床井もそれを見て『貰って』しまっている。
「俺は生まれ変わった……こんなに気持ちいいのは、生まれて初めてだ……。ダーク様のお陰で俺は…こんなに素晴らしい雄になれた……ああ、霧笠…まだお前はダーク様に忠誠を誓ってないのか……フェンシング部でお前だけだぞ、そんなヤツは……」
ビクン、ビクンとチンポの痙攣は止まらない。ソックスを伝い、床にどす黒い汁が広がっていた。桑田、床井、関谷の順に精液が続いていく。こんな異常事態にも関せず、霧笠のチンポは硬さを増していた。
「この面当ては特殊でな。着用したらそいつをダーク様の下僕に改造、洗脳して貰えるんだ。フェンシング部のヤツらは全員一度は被ったんだぜ、お前以外はな」
西岡が転がっていた漆黒の面当てを取り、霧笠に差し出した。呪われた面には、フェンシング部全員の悲鳴や最後の理性を奪い取った歴史があった。
待機していた部員達が全員、霧笠を囲むように立つ。十数人全員が黒いフェンシングスーツで、汗臭く、異様だった。その中心で霧笠は面を受け取り、一瞬逡巡する。逃げ場はなく、仲間もいない。面を着ければ霧笠は解放される、ダークによる永遠の支配によって……。
面にはフェンシング部全員の野獣じみた匂いが染み着いていた。
(何だ、俺はこれを嗅ぎたかったんじゃねえか)
霧笠は最後の理性を捨て、脂ぎった髪や鼻を面に通していく。部員達が粗野な歓声をあげる。が、それも霧笠自身の絶叫でかき消えていった。
ドクンドクンドクンドクン――。
霧笠の股間からは絶え間なく精液が溢れ、すぐに黒精が製造される様になった。黒精がフェンシングスーツを取り込み、漆黒で体表に密着するタイプへと改造される。筋肉が増し、戦闘員に相応しい体つきになる。
ダークスウツに包まれて、霧笠は胎児の様に丸まり、全身でその快楽を受け止めていた。
「ダーク様!!ダーク様!!ダーク様!!ダーク様!!ダーク様!!」
見たこともないその人物の名を、狂った様に霧笠は連呼する。自分を生まれ変わらす、その新たな神の名を。
「ぐああああああっ!!」
ダークスウツを越して黒精が宙に跳ねる。それが霧笠の洗脳と改造を終えたサインだった。
戦闘員の中心で、新たな戦闘員が誕生した。面当てを取ると、舌をダラリと垂らし、汗と涎と鼻水で彩られた霧笠の顔が現れた。至福の表情で霧笠は生まれ変わった。無精髭から汁が滴り落ち、得意気に敬礼をする。
「ダーク様に忠誠を誓います」
S大フェンシング部は霧笠と共に陥落した。
4
私立大学の中でも、S大学は体育大学として全国的な知名度を誇っていた。付属校も各地にあり、その中でも一番S大学に近い場所にあるS高校は何の部活でもインターハイの常連である。男子校であるが故に華はないが、代わりにダークノアの悪意の温床として凶悪な戦闘員達が蔓延りつつある事はまだあまり知られていない。そして、S大学にもその魔手が少しずつ迫っている事も――。
新入生である平川は、フェンシング部の扉を叩いていた。
「失礼します!!」
鉄製のドアの向こうには、ジャージやトレーニングウェア姿で寛ぐ部員達の姿があった。ロッカーに籠もっている防具特有の匂いも、平川は慣れていた。S高フェンシング部に所属していた平川は、丁度タイミング良くダークノアの魔の手から逃れ、S高出身者の中でもレアケースな世代であった。が、不幸な事に、平川のその運もここで尽きる……。
「お!!平川じゃねぇか!」
満面の笑みで革張りのソファーから起き上がったのは、フルーレの手入れをしていた霧笠である。S大フェンシング部の半数は、S高フェンシング部出身者だ。当然、顔見知りも多い。
「また宜しくお願いします!!」
小柄で人懐っこい笑顔を浮かべる平川の短い髪を霧笠は撫でた。平川はまだ知らなかった。霧笠のジャージの下は、体表を余す所無くダークスウツが覆っている事を。霧笠の改造されたデカマラが、脈々と隆起している事を……。
5
ビラ配りをしていた関谷が目を付けたのは、茶髪で癖っ毛風にアレンジを加えた、如何にもスポーツをしなさそうな新入生だった。
「なんスか?」
不機嫌そうに睨み付ける新入生を見て、関谷はムラムラと欲情していた。この生意気な男を、ダークノアに忠実な犬へと変貌させたい、その一心であった。
関谷はアピールの為にフェンシングスーツを着ていたが、それは当然白色で一般的なものであった。しかし、襟元にはインナーシャツに擬態したダークスウツが覗いている。ぞわり、ぞわりとダークスウツは波打ち、早くその男を寄越せ、と関谷を責め上げた。
「フェンシングとか、興味ない?」
関谷は手を伸ばし、男の肩に触れる。その一瞬、ダークスウツが延び男に接触した。
「あ……ウッス…」
男は急に目がとろんとなり、関谷の方を向いた。ダークスウツが男の判断能力を一時的にジャックし弱体化させたのである。
「見学やってるんだけど。学部と名前、良いかな?」
「ウッス……経営学部…伊吹玄ッス……」
関谷は伊吹の筋肉の付き方を見て、陸上部だろうと見当を付ける。素体としてC+程度だろう。
「じゃあ、16時に体育館な。道具はこっちが用意するから」
伊吹は頷き、フラフラと講堂に入っていった。関谷は伊吹が人形の様に犯され、その身を闇に堕とす所をイメージし、プロテクターの中で手も使わず果てた。ダークスウツが黒精を余す事なく吸収し、イカ臭い匂いだけが関谷に残った。
6
草刈正章は東北から上京してきた新入生だった。フェンシング部部長の西岡とは従兄弟であり、自分がフェンシングをやる様になったきっかけも彼である。一人っ子だった2人は、会う機会こそ少なかったものの、実の兄弟の様に振る舞う事が多かった。
現代の大学生には珍しく、太い眉に刈り上げた髪、日本男児を絵に描いた様な青年だった。体躯はどちらかと言えば背が低く、ガッチリとした筋肉で、西岡からは『ガッチビ』と形容されてからかわれる。草刈はその呼称が若干気に入らない。
「よお、久し振り」
西岡が手を挙げ、草刈を迎える。西岡と同じ寮の隣室に、草刈は入居する事になっていた。
「おう!!兄ちゃん元気だった?」
2人の時は、草刈は西岡を兄ちゃんと呼んだ。西岡に迎えられて入る部屋は、大学生らしく混沌とした世界が広がっている。
(何だ、この匂い……)
草刈はほんの一瞬、何かの異臭を感じた様な気がしたが、ついにそれはわからなかった。汗臭い様な、そんな匂いがしたので練習着でも放置していたのだろうと推測する。
「相変わらずガッチビだな」
「兄ちゃんは……随分マッチョ体型になったね」
そうか?と言いつつ嬉しそうに西岡は自分の発達した胸板を確認する様に撫で回す。紺のジャージの下に、隠しきれない隆起がそこにある。
純朴で警戒心のない草刈を堕とすのは、ダークに目を付けられ従順な怪人として改造された西岡にとって造作もない事であった。例えば、今、ジャージの前を開け、中に隠されているダークスウツを見せ、効果的に使うだけでも草刈を淫乱な戦闘員に洗脳する事が出来る。怪人の力を使って、強引に犯してしまっても良い。さらには、草刈を監禁して、『実験』の様に辱めながら堕ちていくのを眺める事だって出来る。
が、それをしないのは、草刈の『未改造』である姿を西岡が見たいが為だけである。兄と慕う従兄弟に裏切られ、蹂躙され、犯され、苦悶しながら肉体と精神をダークノアに明け渡す姿を西岡は想像する。無邪気に笑う草刈は、従兄弟の異変に全く気付いていなかった。
7
大学のフェンシング部のレベルは、高校のそれと比較にならないと平川は痛感していた。高校時代から親しかった霧笠も、練習になれば見違える動きである。まだ体験入部期間であったが、自他共に平川の入部を確信していた。
面を取ると、雫が髪から滴り落ちる程発汗している。それは、練習している者に共通であった。中でも平川が意識しているのは、部長の従兄弟である草刈だ。そのひたむきな練習に対する意欲もさることながら、技術が突出している。自分の手の延長の様にフルーレを操り、S高でインターハイに出場した平川とほぼ互角、あるいはそれ以上だった。
(もっと強くなりたい……!!)
フェンシング一筋だった平川に、そんな気持ちが芽生えるのも当然だった。そんな時、新歓期間の時間制限後、帰り支度をしている平川は突然声を掛けられた。
「平川、どうせ入部するんだろ?最後までやってけよ」
霧笠は、平川が入部する事を見越して、平川にのみそう言った。自分にそう提案してくれた霧笠に、平川は二つ返事で了承し、今し方仕舞ったばかりの練習着に袖を通し始めた。
部員達が全員、言葉を介せずに平川に注目する。平川はそんな事には全く気付かず、霧笠と同じ練習メニューに加わった。
8
伊吹は自分の異変に気付いていた。初日にまず、何故フェンシング部に見学に行ったのか。それはもう、伊吹本人にもわからない。「何となく」毎日、仮入部の練習に参加してしまうのである。練習は、素人がこなせる様な生半可なものではなかった。全員が呼吸を乱し、汗で重くなるフェンシングスーツを持て余し、面当てで窒息しそうになり、むせかえる自身の汗臭さに辟易する。伊吹の陸上部としての土壌を持ってしても、過酷である事には変わりなかった。
さらに言えば、伊吹に至っては誰が着たものかわからないフェンシングスーツを着ていた(部の所有だった)ので、その生理的な嫌悪感たるや筆舌出来ない。伊吹は面当てを付ける度に、自分のどこかのセンサーをオフにしている事がわかった。ゴミを棄てる時、ゴミとの接触が避けられないのを諦観する様な、そんな感じだ。
(あ……練習あるから寝なきゃな……)
まだ日付も変わる前から、伊吹はベッドに向かう。少しずつ、少しずつ生活や思考がフェンシングを中心に変わっていった。
(入部するんなら防具とかちゃんと買わないとな)
疲れた身体はすぐに深い眠りに彼を誘い、毎日のルーチンにフェンシングを刻印していく。
9
草刈は充実した毎日を送っていた。日々の練習を通じ、自分が成長している事がわかる。
西岡は最後まで練習するので、自分よりもずっと遅くに帰ってくるが、必ず毎晩どちらかがどちらかの部屋に押し掛け、酒やらつまみやらを食べた。フェンシングでの西岡は技術的にも秀でており、草刈は尊敬と誇らしい気持ちになる。憧れが草刈の目を曇らせていた。
寝る前のプロテインを忘れずに飲み、2人はそのまま同室で寝てしまう。草刈は夢で、西岡と互角に渡り合っていた。数回の打撃の応酬の後、目を見張る一閃が草刈を貫く。右胸に鋭い痛みが走り、ブザーが鳴り響いた所で目を覚ました。
朝勃ちがスウェットを持ち上げ、情けない醜態を晒している。隣ではまだ西岡がすやすやと眠っていた。草刈は照れ笑いをしてボリボリ頭を掻くと、決定的な違和感に気付く。
「え……?」
亀頭がボクサーパンツと擦れ、滑りが伝わる。草刈は夢精していたのだ。よく見ればスウェットにまで精液が染み込んでおり、仄かにイカ臭さが部屋に漂っている。草刈は狼狽した。
(疲れマラってヤツか……?)
とにかく、上手いこと西岡が目覚める前に処理しようと起き上がると、西岡の部屋に漂っていた『あの匂い』が鼻を突いた。「え?あ、うわあっ!!」
思わず勃起していたチンポを押さえたが、間に合わなかった。ドクドクと精液は無情に溢れ、スウェット越しに草刈の手をベトベトに汚した。それは、草刈が生涯で体験した中で、もっとも不意で、もっとも気持ちよいものだった。凛々しい日本男児の顔も、今は淫らに歪み、喘ぎと共に涎が一筋顎を伝う。
(何だこれ……)
動悸が止まらなかった。あまりの事に、草刈は右胸に何かに刺された痕があるという事実に気付かなかった。
※
草刈が学校に行った後、西岡は洗濯機の中から草刈の汚したボクサーパンツとスウェットを取り出した。あまりにも精液が大量だったので、自分が配分の加減を間違ったのではないかと思ったが、その時はその時である。
西岡は草刈の精液を舐めとり、邪悪に笑う。
「うめぇ……最高だよ、正章……」
10
時計は夜の10時を回っていた。平川は重い体を引きずりながら、率先して後片付けに奔走する。初めてフェンシング部の活動に最後まで居残った。それが平川の自信を高めていた。
ミーティングで円陣になると、汗だくで籠もった匂いが輪の中に充満する。早くシャワーを浴びて寝たい、と平川は思った。自分よりも霧笠や関谷の方がずっと汗の匂いがひどかったが。
部長の西岡が二言三言、総評を述べ、ミーティングは終了した。
「俺はソタイの為に帰るが、今日の当番は誰だ?」
西岡が去り際に訊く。平川は素体を上手く変換出来なかった。
「俺です」
霧笠が手を挙げ、何故か部員達に笑いが起こる。
「そうか、上手くやれよ。期待してるぞ」
「はい。ありがとうございます!!」
霧笠はビシッとお辞儀をし、嬉しさを全面に表していた。平川は、霧笠がそんなに真面目であったとは思わず、若干の違和感を感じる。
(霧笠先輩ってそんなキャラだったかなぁ……)
部長がその場から消えると、霧笠は円陣の真ん中に立ち、ぐるりと全員を見渡した。
「じゃ、始めます。平川、これからやるのはフェンシング部の儀式だから、お前も覚えとけよ」
急に険しい表情で霧笠は平川に言った。平川はその迫力に気圧され、「はい!」と返事をしてしまう。
霧笠は頷くと、いきなり自らの股間を揉み始め、仰向けに寝転んだ。その動作に、平川は二の句も次げない。それはどう見てもオナニーだった。着衣(しかも汗だくのフェンシングスーツ)のまま、気の知れた仲間達の前で、霧笠は躊躇いもなくAV男優の様に行為に耽っている。
「ぁぁっ!……いいぜ…」
霧笠は小さく喘ぎ始め、スーツを押し上げた先には染みが出来ていた。クチュクチュとスパッツがチンポと擦れ、再び霧笠は汗だくになる。平川は、その様子に狼狽えながらも、チンポを硬く尖らせていた。
(俺……何で勃起して…霧笠先輩ってそんな人だったんだ…)
高校時代の霧笠は、明るく快活で、直向きな先輩だった。今は、平川の知る霧笠ではなかった。痴態を晒して、後輩の前で喘ぐ霧笠は、野獣じみていた。
「う……ああ!!」
不意に円陣の中から声が上がる。床井が先に視姦しているだけで絶頂を迎えてしまったのだ。
「床井!!」
副部長である桑田が叱責した。床井は顔を赤らめて「すいません!」と頭を下げる。
平川は恐怖を感じていた。この異常なフェンシング部という環境に。しかし、眼前で広がっている淫らな行為から、青年期に差し掛かる平川が目を背けられる筈がなかった。円陣には汗と先走りの匂いが混然と立ち込めていく。平川を含め全員がチンポを勃起させていた。
(黒い…………?)
特に、既に果ててしまった床井を筆頭に、次々と部員達の股間は黒ずんでいく。目の前でせんずりをしている霧笠も、染みとは言えない程くっきりと黒く汚れていた。
(何だこれ……?)
平川は自身の股間を見たが、あまり変化はない。強いて挙げれば、少し先走りで湿っているくらいか――、そんな平川の疑問は、霧笠の嬌声によりすぐに吹き飛んだ。
「あ……はぁぁああぁっ!」
身体を海老反りにし、爪先がくっと丸められる。布を突き破った様に精液が噴き上げ、体育館や霧笠自身を汚していく。平川は、霧笠のその痴態と、自分の常識から逸脱した黒い精液に目を奪われていた。
荒い息を吐き、霧笠は大の字に寝転がる。顔にまで跳ねた精液が、眉を横切っていた。穏やかな表情の上に、横から新たな黒い精液がかけられた。周りの部員達は次々と射精しては霧笠の全身に満遍なく精液を放出していく。白いフェンシングスーツはまだらに黒く染まり、虚ろで快感を受容している顔は顔射され続けた。
濃厚な絡み合いと精子の匂いに、平川の頭はフリーズしていた。黒い精液がどの部員からも放出され、浴びせ、浴びせられの大狂乱であった。ぼうっとした頭は、黒精の発情効果を防げない。平川は人知れずスパッツの中に3日ぶりのザーメンを垂れ流していた。
(俺もイっちまってる……)
股を伝う粘っこく熱い液体を初めて気付く平川。股間を見たが、平川の精液は真白である。
「平川……こっちに来い」
そう呼んだのは渦中の霧笠だった。髪や股間から精液を滴らせ、すくっと立っている。平川が恐る恐る一歩踏み出すと、もう戻れないという確信が頭を過ぎった。
「あ……はい…」
いつの間にか、フェンシング部の全員が真っ黒なスウツ姿である事に気付く。霧笠も今や着ている物は、フェンシングスーツの中に着るインナーシャツが全身をタイトに包んでいる様な格好であった。
「俺達は先月選ばれたんだ、ダーク様の忠実な下僕として」
霧笠が平川に歩み寄り、平川は射程圏に入る。平川は黒精の再淫効果に捕らわれていた。
「黒いザーメンは、改造された証さ。ダーク様の為に俺達はこの素晴らしい肉体を捧げて、新しく俺達の仲間になれそうな奴を見つけるんだ」
平川が一歩、本能的に後退りをしようとしたその瞬間、腕や股に鈍い痛みが走った。
「な……!!」
漆黒のフルーレが平川の四肢に突き刺さっていた。4人の戦闘員と化した先輩が、彼を無駄のない動きで仕留めたのだった。痛みはそれ以上なく、ジワジワと『異物』がそこから注入されていくのを感じる。
「平川、お前もダーク様に選ばれたんだ」
霧笠は嬉しそうに言うと、身動きの出来ない平川の股間を揉む。先刻放った精液が、スパッツの中で卑猥な滑りを演出する。
「嫌だ!止めろおおおっ!!」
首を振っても、戦闘員となったフェンシング部員は誰一人動かない。平川の身体は徐々に弛緩し、火照りが治まらなかった。
「無駄だ。もうすぐ『毒』が全身に回る。次に目が覚めたらお前は立派な戦闘員だ」
「そんなものにはなりたくねえっ!!」
戦闘員達に笑いが広がる。霧笠はフルーレを取り、自らの精液で滴るそれを構えた。
「じゃあな、平川」
平川の鳩尾にフルーレは突き刺さり、平川は痛みのあまりに絶叫した。すぐに完全に意識を失い、その場に崩れ落ちる。『毒』に冒された身体は、既に平川を戦闘員へと改造しつつあった。口からは痛みと快感からとめどなく涎が溢れ、股間は勃起し、すぐに連続で射精をし始める。小柄な肉体は必要以上に筋肉を纏い、汗だくの身体は酷い匂いがした。精液は黒へと変わり、ダークスウツとして全身を覆う。そこには、フェンシング部として新たに迎えられた1人の哀れな戦闘員が横たわっていた。
「んあああっ!!」
快感に身を捩らせ、再び平川に意識が戻ってくる。しかし、それは既に元の平川ではなかった。『毒』は平川の心身を同時に洗脳し改造する程の力を有していたのだ。
フルーレを抜くと、平川はダークスウツの着心地を確かめる。運動用のインナーシャツよりも薄く、キツく、皮膚に近い。何よりも着ていて性的な刺激を与えるなんて機能は他にない。
「どうだ、平川?」
「何か、もうどうでもいいっていうか……何で俺、こんなに気持ちいいのに、強情になってたんだろうって思います」
だらしない表情で平川は言った。チンポが勃起し、ダークスウツとの相性が抜群である事を示している。
「今はダーク様の事しか考えられません!俺、すげぇ今、幸せなんです!!」
「そうか」
霧笠が平川を愛撫し、舌を絡ませていく。霧笠が一月前まで一般人であった事、つい数分前まで戦闘員に改造される事を拒絶していた事、ダークはその全てを知った上で、青年達を淫乱な野獣へと堕としていくのだ。
「先輩、俺の……俺のオナニー見て下さい!!」
すっかり戦闘員として目覚めた平川は、巨大になったチンポをダークスウツ越しにせんずりしていく。周囲から口笛や卑猥なヤジが飛ぶ。真っ黒な飛沫が跳ね、精液まみれの戦闘員がもう1人増えるのに、そう時間はかからなかった。
11
新歓期も残り僅かになってきた。人知れずダークノアの洗礼を受けた平川はより熱心に部活に打ち込んでいた。草刈は、日に日に増していく一方の性欲に疑問を抱き始めている。そして、伊吹は慣れないながらも練習に励み、フェンシングのセンスを開花させつつあったが、もう一つ、本人も知らぬ間にダークノアの戦闘員として肉体を開発させられていた。
チャラついた雰囲気は残りながらも、フェンシングスーツを身に付ければその表情はきっと引き締まる。
(今日も練習、練習っと)
面当てを付け、姿見の前で全身を見る。不意に精悍だった顔つきは、面当ての中で快感に歪む。全身を拘束されている様な、奇妙な感覚が、匂い立つ臭気と共に這い上がってくる。
(この感じ……この匂い……)
脳内にぼんやりと靄がかかった様に感じ、胸一杯にお世辞にもいい匂いとは言えない独特の匂いを吸い込む。中履きとして使っているボクサーパンツにくっきりとイチモツが浮かび上がる。借り物のフェンシングスーツが伊吹に牙を剥くのも時間の問題であった。
フェンシングスーツに擬態したダークスウツは、新歓期をかけて伊吹をゆっくりと改造していた。面当ては脳内に直接アクセスし、伊吹の思考回路を変容させていく。関谷は伊吹を『C+』と最初は判断していたが、その親和性や適応力から『A-』までの格上げが今やなされている。
伊吹は無意識に股間を揉みながら、更衣室を出、練習に参加した。ボクサーパンツには、糸を引くほど濃い先走りが染みを広げている。
練習後、伊吹は関谷から少しだけ手解きを受けていたので、新入生達の帰宅の波から外れてしまった。平川はすっかりフェンシング部の部員として定着しているので、まだまだ練習をするらしい。伊吹は少しだけ寂しくなりながらも、一人更衣室に足を運んだ。
よく身体を伸ばしながら、面当てやフェンシングスーツを脱ぐのをグズグズ先延ばしにする。伊吹は今やはっきりとフェンシングスーツを着る事に快感を認識していた。男の汗の匂いの染み付いた面当てに、伊吹の汗が混ざり合っていく様子を想像すると、たまらなく興奮する。伊吹は、自分がそんな性癖の持ち主だったとは露も知らなかった。勿論、これも伊吹の改造の一環で生じたものである。
(脱ぎたくねぇな、まだ)
汗で滑る身体をフェンシングスーツに絡ませていく。ソックスだけは自前だったが、これもシューズと汗で特有の籠もった匂いが生じている。
(あぁ……臭ぇ、たまんねぇ…)
自分と、先輩達の身体が共有されているイメージが伊吹に与えられる。関谷、霧笠、桑田……そして西岡。イメージの中では彼等もまた、伊吹と同じ様にフェンシングスーツの中で身悶えしているのだ。真面目で気さくで、尊敬すべき先輩はみな、自分自身のスーツの中で潮の匂いに包まれている――。
(エロい、エロいっす先輩!!)
面当ての中で、伊吹は完全に野獣と化していた。ギラギラと光る目で、鼻息は荒く、舌を舐めずる。股間は硬くなり、伊吹の理性を離れ、唐突に吐精した。
「んはぁっ!!」
伊吹はくぐもった声を上げ、その不意な射精に身を任せた。勢いはよく、腹まで精液まみれになっている。
(借り物のスーツなのに……)
冷静になった伊吹は焦り、面当てを外そうとする。だが…
(?!脱げない!)
面当てはフェンシングスーツと一体化し、ピッタリと伊吹の頭を覆っていた。本性を現したダークスウツは、『着用者が射精する』事で最後の改造を伊吹に施そうとしていたのだ。
みるみる伊吹の全身は黒く染まり、膝丈のハイソックスだけが白く残される。黒く変化したフェンシングスーツは、半液体状で彼の肉体をピッチリ包み、薄く鍛えられたら腹筋を肉感的に露わにさせる。
(く、苦しい……)
全身を締め付けられ、呼吸も息苦しくなった。ハイソックスもダークスウツにジワジワ侵食され、伊吹は黒いマネキンの様な姿になる。股間のイチモツは天を仰ぎ、形の良いケツはダークスウツによってキュッと締まっている。
苦しさと共に、伊吹の身体は快感を与えられ始める。ダークスウツが蠕動し、全身を性感帯として改造されつつある伊吹を発狂寸前まで刺激した。
伊吹は絶叫し、もう一度ダークスウツの中で射精してしまう。ダークスウツは伊吹のまだ真っ白な精液を放出せず、ダークスウツと皮膚の密着した僅かな隙間に留めた。精液はすぐに下半身と腹部に広がり、伊吹を精液まみれにさせる。ヌルヌルとした不快感と、射精した虚脱感が伊吹を襲った。息を吸うと、ダークスウツが定着してきたのかごく自然に呼吸が出来る事に気付く。
(俺、どうしたんだ?何だこれ?誰か…誰か助けてくれ!!)
パニックになる頭で、必死に助けを呼ぼうと思う。が、伊吹に残された時間はもう無かった。
「ひ、あぁぁあぁああっ!!」
ケツと尿道に、『何か』が入れられているのだ。痛みと共に全身が痙攣する。ダークスウツの形状が変化し、口や鼻、耳からも伊吹の中に侵入していく。
実験から得られた新しいダークスウツの機能の一つだった。所謂『脳姦』を通す事で、洗脳と改造の効率を上げるという画期的なシステムである。面当てにその機能のキーが搭載されており、霧笠らも同じ道を歩んでいた。
「~~~~ッ!!」
声も上げられず、膝から崩れ落ち、うつ伏せに倒れる。一体のマネキンは時折痙攣しながら、更衣室の真ん中でじっくり洗脳と改造を施されていった。
伊吹は完全な闇の中で立っていた。顔のみが外気に晒され首から下はダークスウツに完全に包まれている。チンポは通常時の様に萎えていたが、重量を増し、逆にその存在を無言で示していた。
(ダークスウツ……)
脳に送られた情報を確認する様に、伊吹は反復した。足の指までキッチリと分化して覆っているそれは、重要で忠誠の象徴だった。自分の体臭が微かに匂うその空間で、伊吹はダークスウツとそれに覆われ厚みを増した肉体を自らの手で弄っていく。
黒い手が、腹、背中、胸へとあちこち動き回る。萎えていたチンポがピンと起き上がり、ダークスウツに包まれたチンポがその黒くてふてぶてしい姿を見せ付ける。
「あぁ、気持ちー」
伊吹は独り言でそう言った。それは、ダークスウツへの賞賛であり屈伏でもある。また一人、ダークの邪悪な快楽の罠に男が堕ちたのであった。茶髪のちゃらついた髪を汗で光らせながら、腰をリズミカルに振っていく。湯気の様にむわっと汗が匂い、伊吹を獣臭くした。それを胸一杯に吸い込み、自分がダークノアの戦闘員として改造された事を知り、伊吹は喜びに浸った。
絶頂の瞬間に、伊吹の脳裏に新しく崇拝すべき対象が明確に刻み込まれた。伊吹の肉体はそれの所有物であり、既に自らのものではなかった。快楽を与える神として、伊吹はダークを崇拝し、畏怖し、平伏した。
「ダーク様!!俺の痴態をお納め下さいぃっ!!身も心も、俺はダーク様の下僕であります!!ダークノアに栄光あれぇぇっ!!」
黒い放物線がチンポから迸る。頬を紅潮させた伊吹の表情は、惚けており、だらしない笑みを浮かべていた。
伊吹が目を覚ますと、更衣室にはフェンシング部の先輩達が伊吹を取り囲む形で突っ立っていた。関谷が無造作に伊吹の面当てを外すと、中には涎と汗でベタベタに汚れきった伊吹の恍惚とした顔があった。誰かが「ひでぇ顔だな」と言い、「お前もこんなんだったぞ」と誰かが返す。卑屈な笑い声がそこかしこから響いた。
伊吹は自身の肉体と精神の変化が夢で無いことに安堵していた。最高の支配者に身も心も支配される快感、それが尊敬すべき先輩も同じ境遇であるという安心感。その二つが伊吹を満たしている。
自分とも誰ともつかない汗とダークスウツの濃厚な香り。更衣室を充満させた熱気は、若き戦闘員達を刺激せずにはいられなかった。陰茎を硬く尖らせ、全員が何でもない談笑を交わしている。その中には、新入生の平川の姿もあった。
全身が全員、ダークスウツを着て自分自身を晒していた。勿論、改造されたての伊吹ですらそうだった。霧笠や関谷が伊吹を立たせ、ガッチリとした肉体を密着させ擦り付ける。ギュッ、ギュッ、とダークスウツ同士が摩擦しあい、そそり立つ陰茎が腿や腹を打つ。新たな戦闘員を祝福するかの様に、自然と淫行の中心は伊吹へと移行した。汗だくの全身を舐められ、撫でられ、脇や股間、さらには髪まで匂いを確かめられ、指の一本一本を丹念にしゃぶられ、開いたアナルに指を入れられ、右曲がりのチンポを扱かれ、無限の快楽を与えられた。伊吹は獣の様に鳴き、淫乱の限りを尽くした。それは、今まで誑かした女達よりも力強く、魅力的なまぐわいであった。
伊吹が上級生に輪姦されている間、隣では平川が慰み者になっている。平川も既に身体が宙に浮き、代わる代わる上級生達に様々な体位で犯されていた。最終的に、二人の新入生は競い合う様に絶叫し、快楽に溺れていった。
伊吹は関谷に、平川は霧笠に両腕と両脚を拘束され、向かい合う形で新入生は対面した。ダークスウツに包まれた互いの姿は、初々しくも邪悪な意志をしっかり両者に植え付けている。固く勃起し、鈴口からずっと先走りを垂れ流している姿が、それを物語っていた。平川は、伊吹の生まれ変わった(あるいは変わり果てた)姿に興奮し、伊吹は、平川が真面目な顔をして既に淫乱な戦闘員として改造されていた事を想像し興奮した。向かい合わせの二人は、まず最初に亀頭が触れ合い、次にピンと立った乳首のある厚い胸板がお互いを圧迫し、最後にねっとりと糸を引いた舌が絡み合った。鼻腔はスポーツマン達の爽やかで淫らな汗の香りで一杯になる。
「イケっ!!」
霧笠が言うと、新入生は同時に黒い精液を相手にたっぷり掛け合った。顔や胸はべとべとに汚れ、平川は恍惚とした表情を、伊吹は惚けた表情をそれぞれ浮かべた。唾液の線がつうっと首筋にかかる。二人目の野蛮な雄として、新入生はダークスウツの虜に堕ちた。伊吹はだらしなく笑うと、平川の股間に手を伸ばす。平川も抵抗せず、伊吹にその身を任せた。大股を開いて、ダークスウツを遺憾なく見せ付ける体勢で、新入生は自分達がダークノアの戦闘員に改造された事を示した。
「あ、はああああっ!い、伊吹、そんなに突いたら、お、俺ぇっ!!」
「平川っ!!ンオオァァッ!すげっ!あったけぇ!!」
種馬の様な伊吹のピストンに、平川が悲鳴を上げる。堕ちた二人の脳内を占めるのは、ただ肉欲に忠実に生き、ダークを崇める事だけであった。動物の如く盛り合う一方、戦闘員として植え付けられた思想が、二人の頭に過ぎる。
(あの草刈はどんな淫乱な姿になるんだろうか)
身近に居る男の中で、最も優秀な『仲間』に出来そうな人物。それが草刈であった。一本気で日本男児を絵に描いた様な眉と目、汗で光る黒い短髪と綺麗に割れた胸筋、広い肩幅に豊かな体毛……
自分達がそうであった様に、草刈もダークスウツに肉体を蝕まれ、泣き叫び、涎や涙を流し、強制的に射精させられるのだろう。そのシーンを、逐一想像していく。ダークスウツに全身を覆われ悔し涙を流しながら果てる草刈を。徐々に精液は黒くなり、最後はやはり笑いながらダークに忠誠を誓うのだ。
更に毛深く、体臭もキツく、そして何よりドスケベに改造されてしまった草刈は、平川と伊吹のチンポを美味しそうに味わう。何の躊躇いもなくフェラチオをし、舌の上で真っ黒な精液を転がしごくんと飲んでしまう。それから、いつものあの天真爛漫な笑顔で笑うのだ。
想像は飛躍し、平川と伊吹の妄想はほぼシミュレーションと同様の行為であった。如何に草刈を改造するのか、自分達の性欲を満たしながら、構想するのである。
「早く草刈も加えてやんねぇとなぁ!!」
「おう!!あいつぜってぇ絶倫で毛深い雄野郎に改造されちまうぜ」
戦闘員・草刈のダークスウツ姿を想像し、伊吹は平川の中に再び大量の黒精を射精していく。平川は手も使わず、伊吹の躍動のみで勢いよく精液を噴出させる。初めてのトコロテンに平川は少なからず興奮していた。上級生達が、入部した頃に戦闘員・平川や戦闘員・伊吹の姿を想像してオカズにした様に、二人もまた、草刈の堕ちた姿をオカズにして延々と交尾を続けていったのであった。
12
「ザジルよ」
「はっ、ダーク様」
薄暗い部屋で跪いていた怪人が直立する。黒光りする甲殻が、鎧の様にザジルと呼ばれた怪人の体表を覆っている。異様に大きな尾が垂れ下がり、地面に着かず海老ぞりになっており、先端に太い毒針が光っていた。蠍をベースにした怪人、ザジルへと西岡達也は改造されていたのだ。
「新たな戦闘員の増員は、今のところ順調に行われております」
モニターに平川と伊吹の全身が映り、身を捩らせながらダークスウツに侵食されていく映像が流された。ダークスウツに支配された最後は、互いにディープキスをするシーンでモニターのスイッチが切れる。
「草刈正章はどうだ?」
「はっ、既に体内に我が毒を二度注入しております。性癖や思考に影響が出ている事を確認しました」
「……よかろう」
その時、部屋の扉が開けられて一人の男が両脇を抱えられ入ってきた。両脇を固めるのは、ダークスウツ姿の戦闘員であり、どちらも西岡の知らない奴らである。柔道部の様で、男がいくら暴れても二人はビクともしなかった。
「素体314号。有川吾郎、24歳。高校時代はラグビー部の副将だった。現在は、宅配便業者に勤務している」
ダークがリストを読み上げる。暫く監禁されていたのか、制服である青と白のボーダーのポロシャツからは化繊が汗で湿った特有の匂いがし、坊主頭はラウンド髭と一体化し、雄臭さを増していた。
「何なんだこれはっ!!」
怯えながらも有川は強気に叫んだ。異形達に囲まれて過ごした一週間が、彼を極限状態に追い込んでいた。
「毒を使って、素体を改造しろ」
「よろしいのですか?」
有川を無視して、ダークと西岡だけで会話が進む。
「かまわん、駄目であればもともとだ」
「はっ」
西岡は踵を返し有川と相対した。厚い胸が、ポロシャツを押し上げているのを見て、西岡は興奮する。くっきりと乳首まで浮かんで見えた。
射程圏に入ると、有川が何か言おうとした瞬間に、西岡の毒針が襲いかかった。
「うっ」
有川は一音のみ呻き、信じられない様に自分の腹部を見る。固く締まった腹筋に、深々と毒針が刺さっていた。痛みと驚愕で、目をカッと見開き、黒目が小さくなる。
どくん!
尾が脈打ち、ダークの力がたっぷり濃縮された毒が注入される。西岡はその様子を愛おしげに見ていた。黒い甲殻の間から、どす黒い肉棒が姿を表している。両脇を固めていた柔道部員も、改造されたてのスリットからチンポを飛び出させ、有川の最期を看取っていた。
どくん!どくん!どくん!
「あ、あぁぁあぁぁぁぁ、あぁ……」
有川の声は段々小さくなり、そのまま気絶してしまう。ガクリと頭を垂らした先に、ズボンを押し上げているチンポがあった。柔道部員に身体を持ち上げられ、壁に両腕をYの字になるよう拘束される。
「うっ、うおっ、う、うおおっ……」
有川の口から喘ぎが漏れ、釣り上げられた魚の様に汗だくの肉体を跳ね上げた。体内の毒は、無情に彼を蝕んでいく。
柔道部員が有川のズボンを下ろし、数日間の拘束で汚れている黒のボクサーブリーフも引き裂いた。ぶるんっ、と汚らしい肉棒が勢いよく立ち上がる。既に亀頭は先走りでぬるぬるだった。
毒が脳内にまで回ると、有川は気絶すら出来なくなった。全身の神経が高ぶり、燃える様に体が熱い。有川は自分の身に何が起きているのか分からなかったが、西岡は有川の変化を見逃さなかった。
「あ……」
髭の中に涎が流れていく。汗がポロシャツの色を変え、胸と脇が変色している。有川の肉体は、最早有川の物ではなく、ザジルとダークの所有物となった。有川は自分が声を出せない事に気付く。肉体が鋭敏になり、淫乱なヤリチン野郎の様なカラダになっている事に気付く。柔道部員に発情しているカラダに気付く。チンポを晒している羞恥心で勃起している事に気付く。
ザジルの毒は、『洗脳を行う前に身体の改造』を『急速に』行う作用があった。そして、それはダークスウツによる肉体改造と効果が似ているものの、効力が重複する点に恐ろしさがある。
有川は首を振って、自分の変化を否定しようとしていた。が、毛深いケツがひくひくと痙攣し、だらだらと我慢汁を垂れ流している様子では、何も説得力はなかった。柔道部員がケツにバイブを挿入し、スイッチを入れる。
「………ぁっ!!」
綺麗な放物線を描き、精液が黒い床に散った。顔を真っ赤にし、羞恥心に顔を歪める有川を西岡は視姦する様に見つめた。精液が放たれる度に、形の良い金玉がキュッと持ち上がり、竿がびゅんと震える。
「ハァッ、ハァッ、ぁっ止ま、と、止まんねえっ!!あ、ひあっ!!」
有川は地獄の責め苦にあっていた。射精は止まらず、肉体の改造は秒毎に進んでいく。呼吸もままならないが、骨格が急速に発達していく痛みが彼を襲う。身長は2メートル近くにまで成長し、ボディービルダーの様な筋肉を得ると、履き古したスニーカーが裂け、パンパンに張ったソックスが姿を表した。体毛は熊の様に有川の全身を覆い、膨れ上がった筋肉を彩る。ポロシャツは完全に筋肉に張り付き、今にも裂けてしまいそうだった。喘ぐだけで、有川の理性や人格はザジルの毒で既に殆ど破壊されてしまっていた。ただ動物的に男は痛みに叫び、苦しみに涙を流す。
「う、あぁ、ゴフッ!!」
急激な身体の変化について行けず、大量の血が口から吐かれた。既にその血は、ダークの力に依って汚されている。有川は最早、自分がどの様になっているのか自分では把握できなくなっていたが、重量級の戦闘員としてダークノアの貴重な戦力の一員に改造されていたのだ。
空打ちになったチンポに、新たな別の液体と力が満ちて来るのが分かる。有川の疲れ切り、虐め抜かれた肉体に、邪悪な毒が新たな力として循環していった。黒い精液が迸ると、ダークスウツが有川の皮膚を覆い始める。ここで彼は二回目の改造を受けていくのだ。
壁に吊された筋肉質な巨体は、既に首から下を背景の壁の黒と変わらなくしていた。巨体が揺れると、大量の黒精がチンポから吹き上がる。ダークスウツが体内に侵入し、脳内の洗脳を行っていた。有川の目は光を宿さず、既に黒く濁っている。強い毒で破壊された理性は、ダークへの忠誠という形で再生されていく。結局ビリビリに破けてしまったポロシャツが上下し、ビンビンに立っている乳首が露わになる。
「あ、はぁぁぁぁっ!!」
邪悪な産声を上げ、有川は拘束具を怪力で破壊した。地面に降り立つと、柔道部員に抱えられていたのが信じがたい巨体と幅になっている事がより明確になる。二回の肉体改造を経て、有川はより戦闘に特化した戦闘員へと生まれ変わったのだ。
「ダーク様、俺、下僕に、生まれ変わり、ました」
そう言い、有川だった男はダークに平伏した。戦闘員として改造された有川は、野獣の様なオーラを放ち、野放しにすれば肉欲の限りを尽くす事は目に見えていた。
「成功、か」
ザジルの毒に耐えられるのは、特別に力強い男ではないと駄目で、検体で成功したのは有川が三人目であった。
「毒を出せ」
ダークが有川に命令すると、有川は嬉しそうに太いチンポの生えている陰毛の辺りのダークスウツをイヤらしく擦り出す。するとダークスウツの中からにょきっとぶっとい毒針がまるで複根の様に現れた。
ザジルの毒で改造された戦闘員は、同じ毒素を体内で製造し、複根型の毒針で更に相手を同じ様に改造する事が出来る。
有川の巨体に、チンポが二本生えている様なその図は、グロテスクで淫靡であった。ザジルとなった西岡は、草刈の変貌の過程をイメージし、じっとりと毒を漏らした。
13
毎晩毎晩ザジルへと姿を変えた西岡達也に毒を少しずつ注入される事で、草刈正章の肉体は、新歓期も終わりに近づくと見事な成長を遂げていた。
身長はグンと伸び、腹筋と胸筋は綺麗に割れ、一つ一つのボリュームがアップしている。そんな肉体の変化が改造されているからとは露知らず、草刈は毎日を過ごしていた。が、その変化には本人も何かの異常性を感じずにはおれない。
シャワーを浴び、まじまじと自分の姿を見て、膨らんだ二の腕や胸板をさすると、えもいわれぬ快感が草刈を貫いた。高校生の時にはオナニーなど隔週で一回するかしないかの頻度であったのに、最近は日に5回は抜かないとムラムラして仕方がなかった。ビンビンに息子が存在を主張すると、草刈は躊躇わずに自分の使用したハイソックスをそこにあてがい、扱き始める。汗で蒸れたソックスは、酸い匂いがつんとした。自分の体臭に興奮を覚えたのは何時だったか、草刈には分からない。毒を注入されてから5日目に、西岡がわざと置いた汚れ物の匂いがきっかけであった事など、草刈は覚えていなかった。
「ふっ……あぁっ!!くせっ!」
――びゅるっびゅるっびゅるるっ!!
通常では考えられない量の、濃い精液がハイソックスの先端から糸を垂らしていた。両手はザーメンまみれで、握り締めていたソックスの匂いと相まって強い異臭を放っている。草刈は虚脱感を抑え、オナニーを我慢出来なくなってきている自分の状態に焦燥感を抱いた。もともと毛深めだった肉体は、すっかり全身を剛毛に覆われている。毒の改造によるものであるが、草刈はこれをオナニーのし過ぎで毛深くなったのだと感じていた。ハイソックスでオナニーをする鏡の中の男は、ケダモノそのものであった。
(俺は変態になっちまったのか?)
ぼんやりとそんな事を思う。陰毛に絡まったザーメンを見て、草刈は再びシャワーに向かった。
西岡はザジルの姿で、草刈の寝姿を見守っていた。毒針は草刈の鳩尾に当てられ、少し力を入れれば直ぐに皮膚を突き破るだろう。
「立派になったな」
草刈の肉体を見て、ザジルは呟く。スウェットの足首からは濃いすね毛がはみ出している。じっとりと汗ばんだ身体から、仄かな体臭がした。
「これで最期だからな、お前は大切な俺の弟みてぇなもんだから。時間が掛かっちまったけど」
ぷすっ、と鳩尾に針が刺さる。草刈が何度も嗅いだあの甘い匂いが漂う。その正体は、ザジルの毒の匂いであった。
草刈の身体が緊張する。微かに喘ぎ声を上げ、無意識の抵抗を試みた。
「もうすぐお前も、ダーク様の配下に生まれ変わるからな。そしたら、その雄臭ぇカラダを何回も舐めまわして、鳴かせてやるからよ。お互い真っ黒になったザーメン掛け合おうな」
愛おしげにザジルは草刈のスウェットに手を突っ込み、巨根と言えるサイズに成長した草刈のそれを扱く。深い芝生の様な陰毛に包まれた金玉を揉み、ダークノアの手練れとして身に付けた技術を生かし、草刈を射精させる。ザジルは、互いに雄同士の交歓を楽しめない事をもどかしく思っていた。だが、手に溜まった灰色のザーメンを見て、もうすぐ草刈がダークノアの手中に堕ちる事を確信し、ザジルは今夜は引き下がる事に決めた。
目を覚ました草刈は、身体全体が熱っぽい事に気付いた。
(何だ、風邪か?)
とりあえずトイレに行き、チンポの高ぶりを静めようと一発抜く事にする。オカズは勿論、兄と慕う西岡達也であった。
(達也兄ちゃんが、エロい事してる所……)
AV女優をズリネタにしていた頃の事は、草刈の頭から消えている。汗臭く、力強い男達をズリネタにする事に違和感は無く、草刈の頭に常識や経験としてここ数日の内に定着していた。
(汗だくのインナーシャツ、薄汚れた靴下、勃起した乳首を摘まんで、スパッツ越しにオナニーをしている……)
真面目な主将である兄が、痴態を曝してオナニーをする図を、背徳感とともに再生する。
「い、イクッ!!」
イメージの西岡がスパッツに吐精し、その言葉を言った瞬間、草刈も同じ言葉を発し射精していた。体内の熱い塊が徐々に吐き出されていく。しかし精液の色は濃い灰色へと変化していった。
「あ、熱い!!う、うわあああっ!!」
下腹部に燃える様な熱さが塊となって知覚される。草刈の身体は完全にザジルの毒に侵され、とうとうヒトの機能を超えようとしていたのだ。
チンポの真上の陰毛の中から、ズズッと真っ直ぐ一本の肉棒が現れる。熱さの塊はこれであった。
「もう一本……チンポが、生えてきた……?」
あまりの出来事に呆然と草刈は座り込んだ。草刈の意志に関係なく、『毒針』は活動し、あの甘い匂いを振り撒いた。真下のチンポは即座に反応し、殆ど黒に変わった精液を噴出させる。草刈はあまりの気持ちよさに悶絶し、その肉体を受け入れざるを得なかった。
大学に行くと、窮屈に収めたチンポと毒針が反応する者としない者が居る事が分かった。剣道部とラグビー部は、チンポが反応し『仲間』である事を伝えてくる。勿論、フェンシング部もそうであった。草刈は何の仲間だかは分からなかったがとにかく『仲間』である事は分かった。共通点があるとすれば、アンダーアーマーみたいに体に密着するインナーシャツを着ていた事だ。
もう一つのチンポ、つまり『毒針』が反応するのは単純明快、草刈の好みの男だった。獲物として適している奴を選別しているのである。
14
フェンシングの練習が終わった後、草刈は伊吹や平川と共にそのまま残された。草刈は体調が優れないと言ったが、帰るのを許されなかった。再び身体全体を熱が支配しつつあったのである。
円陣を組み、ミーティングが始まるのかと思いきや、平川と伊吹が円陣の中央に進み出た。草刈が目を丸くすると、二人は奇妙なポーズを取り、気を付けの姿勢に戻る。すると、フェンシングスーツの末端が黒く染まって行き、二人はダークスウツ姿に『戻った』。全身タイツの様に、引き締まった肉体を余す事無く示すそれは、裸体よりも卑猥であった。まだダークスウツを着せられて日の浅い二人は、それだけで恍惚とし、勃起したチンポから黒い糸がダラダラ垂れている。
舌を絡ませると、やんちゃな伊吹が積極的に平川の胸板に手を伸ばす。遊び慣れた動作で、まだウブな平川をリードしていく。黒い肉棒同士がぶつかり、ぬちゃっ、と淫らな音を立てた。
草刈は同級生の淫行に魅入っていた。その異常性よりも先に身体が反応してしまう。気付くと円陣を組んでいた全ての部員が、ダークスウツの姿になっていた。普段は見られない、生々しい肉感と性的な興奮に緩んだ顔を草刈に晒していた。
「草刈ぃ……お前もこっちに来いよ、ンァァッ!!雄同士最高だぜぇ」
すっかりセックス中毒になった伊吹が、草刈を誘う。鍛え上げられた筋肉の溝に、汗や精液が光る。平川は、今まで真面目に生きてきた分を取り返すかの様に、自分の黒光りする肉体を差し出し伊吹のされるがままに愛撫を受け入れていた。
「う、ひっ、草刈も早く、ダーク様の軍門にぃっ!あ、伊吹っ!!出るっ!!」
伊吹の顔面に真っ黒な平川の精液が掛かる。伊吹は美味しそうにそれを手で拭い、舐めた。
「あ……そんな、汚ぇよ…」
「汚くなんかねぇよ、平川の雄汁は、ちゃんとダーク様の邪悪な力がタップリ込められて、最高にうめぇんだ」
「ダーク様の、お力が……俺にも……」
平川は嬉しそうに頷き、伊吹と濃厚なキスをする。伊吹が口に含んだ平川の黒精を、再び平川の体内に嚥下させた。生臭い息を吐き、二人は更に興奮していく。
「あ、ああ…………」
草刈は腰を抜かしてその場に座り込んだ。フルーレがからん、と床に落ちる。目の前の淫行に、自分の身の危険を感じていた。平川も伊吹も、そんな人間ではなかった筈だ。
(もしかして、俺もあいつらみてぇにされちまうのか?!)
肉体的には魅力があったが、精神的な拒絶の方が大きかった。身体的な異常も、彼等を見れば何となく説明が付く様な気がした。
戦闘員達の輪が、草刈を囲む。ダークスウツと汗の匂いがムッと包み込んだ。霧笠を始めとする全員が屈強な肉体を黒く覆われている。輪が割れた先から、よく見慣れた顔の怪人が現れる。全身のダークスウツの上に、禍々しい甲殻を身に纏ったザジルだった。丁度、甲冑を着た騎士の様な出で立ちであったが、邪悪な笑みにフェンシング選手としての面影はない。
草刈はザジルを『仲間』ではなく、厳格な『上官』であると認識した。血の繋がりがあっても、ダークノアに所属すれば何の関係もない。既に毒を注がれた草刈が、『上官』であるザジルに抵抗する事は不可能であった。
「立つんだ、正章。この時を待っていたぞ」
(伊吹みたいに、兄ちゃんも兄ちゃんじゃないんだ)
しかし、草刈は震えながら立ち上がった。命令にカラダが反応しているのである。
「どうだ?こいつらの出来は?正章だけ生真面目にダーク様の配下として改造しても良かったんだが、独りだと寂しいかと思って先に平川と伊吹に戦闘員になってもらったんだ」
「そんな……!!」
草刈は絶句した。
「入部した時は、みんなただの新入生だったけど、こんなに優秀な戦闘員にしてやったんだから嬉しいよな?」
ザジルは両脇に控えている淫液まみれの平川と伊吹の肩を叩いた。
「ウッス、嬉しいッス!!」
「ダーク様に身も心も捧げられるなんて、光栄です!!」
新入生の言葉に、拍手が広がっていく。みな誇らしげであったが、目に光は無かった。
「最後は正章、お前をダーク様の下僕に改造してやる。脱げ」
草刈はゆっくりとフェンシングスーツに手を掛け、一枚、一枚と衣服を脱いでいく。
(止めろ、止めてくれぇっ!!)
『上官』の命令には逆らえないカラダが、草刈の意志に反し動いていく。スッと直立した草刈は、もう何も身に付けていなかった。筋肉と剛毛を纏った姿がそこにはあり、恥ずかしさに汗がポタポタ垂れる。何よりも目を引いたのは、今朝新しく生じた複根であった。二本とも天井を指し、淫らな糸を引いている。汗だくの衣類やソックスは、無造作に床に投げられていた。
「どんな気持ちだ?」
「は、恥ずかしい、です」
顔を真っ赤にして、草刈は答えた。戦闘員達が自分の肉体に欲情しているのを感じる。
平川と伊吹が、草刈の股間を愛撫する。二本のチンポが20本の黒い指に這われ、もぞもぞと快感が湧き上がる。
「次に射精をしたら、草刈正章の理性はダークノアに屈服する。いつまで耐えられるかな?」
「止めろ!!んあっ、止めてくれ!!兄ちゃん、兄ちゃん!!」
泣き叫ぶ草刈を、ザジルは優しい表情で見守っていた。伊吹の指がアナルに入れられ、平川の舌がカリを舐め回す。草刈は天を仰ぎ、同級生のテクニックにひたすら耐えていた。
「あっ、い、イヤだっ!!イクッ、ああああっ、イクッ、イクッ!!」
―ブシュゥッ!!ブシュゥッ!!
鯨の様に大量の精液を放ち、草刈は暗黒に染まる。放心した表情には、微かな興奮が広がっていた。
奔流の様に草刈の頭にダークノアとしての知識が書き込まれ、二本のチンポを起点に黒精が肉体を更に改造していく。
体内の熱は理性というリミッターを外され、草刈の行動理念を支配した。ダークノアの一員として書き換えられた思考は、草刈を淫獣の如き雄へと変貌させる。
「どうだ?ようやく理性から解放された気持ちは?」
ザジルが尋ねる。草刈は荒い息を吐き身悶えし、ビクビクと爪先を震わせた。
「すげっ!!ああ゛ーっ!!気持ちいいです!!ダーク様の、お力が俺に満ちて来るのをっ、か、感じますっ!!早く俺も、ダークスウツに支配されてぇっす!!」
潤んだ瞳で草刈は懇願し、二本の巨根から黒い汁を滴らせた。太く筋肉質な両脚を抱え、草刈は剛毛に覆われたアナルをザジルに見せつける。汗で湿り気を帯びた穴はヒクヒク動き、M字に開脚をし秘所を公開している草刈本人は、歪んだ笑顔を浮かべていた。体中に黒精が散り、ダークスウツの形成が毛深い体表で行われようとしている。
「俺、ザジル様のでっけぇチンポ欲しいッス!!俺に種付けして、早くダークスウツを俺に下さい!!」
ケツを指で開いて草刈は言った。ダークノアの戦闘員としても優秀と言える忠誠度と淫乱さが、草刈正章には備わっていた。それは、ザジルによる長期的な『改造』の賜物であり、同時に草刈の西岡達也への尊敬と愛慕の深さでもある。ザジルは感無量と言わんばかりに頷いて、真っ黒にコーティングされ、節くれだったグロテスクな一物を、従兄弟の肛門にあてがった。
「正章、俺の事は今まで通りに呼んでくれ」
「はっ!!了解しました!!」
すっかり戦闘員式の返事がインプットされてしまっている。汗で光る草刈を抱き締め、ザジルは凶悪な一物を草刈に挿入した。
「ぐあああああぁぁあぁぁあぁ?!兄ちゃんのが、俺の、ケツマンコに゛っ、入って、あああああ゛あ゛っ!!」
改造された草刈のアナルを強引に拡張しながら、ザジルのチンポは最奥に到達した。草刈は痛みに歯を食いしばり、全力でよがる。
「正章の中、あったけぇよ……締まりも最高だぜ」
ザジルは優しく草刈を愛撫する。複根のチンポを挟んで向かい合う二人は、実の兄弟の様にそっくりであった。練習で蒸れた匂いを、ザジルが草刈の足から順に確認していく。複根は二本を擦り合わせ、愛液でグチョグチョに濡れた。毛の密集した部分に舌を入れ、唾液が糸を引く。草刈はただ、ザジルの技巧に喘ぎ、凌辱されるしかなかった。二人を満たしていたのは、ダークへの忠誠と、兄弟としてまぐわう肉欲の悦びである。フェンシング部員達の見守る中で、二匹の淫獣は近親相姦に酔いしれていたのだ。
「中に、出すぞ………ングッ!来る!!ダーク様あああっ!!」
「兄ちゃ、う、ああっ!!い……一杯、あちぃのが……お、俺、もぉっ!!」
ザジルの腰が勢いを増し、なだらかに打ち付けられる。『A+』の素体から産み出される特濃の黒精が、大量に草刈の腸内に種付けされていった。草刈はその快感の余り、手も使わずにアナルを掘られるだけで果ててしまい、ザジルと自分の顔にまで精液が飛び散ってしまっていた。
戦闘員達から歓声が上がり、新たな仲間、新たな新入部員の誕生を讃える。ザジルがチンポを抜くと、ゴボッゴボッと草刈のアナルから黒精が溢れ出た。そこからもダークスウツの形成が急速に進行していく。だらりと垂れた草刈の舌は、既に黒光りする膜に包まれていた。
二本のチンポも黒に染まり、顎から下をピッチリ筋肉に沿ってダークスウツが定着していく。ガッチビだった体格は、ザジルの毒によって長身でゴツい日本人離れした体格へと変わってしまった。
闇に濁った瞳を見開き、草刈は戦闘員としての完成を迎える。それは、ザジルや部員達がシミュレーションした姿と寸分違わぬものであり、作戦の成功を意味していた。
「ダーク様に永遠の忠誠を」
フェンシング部員達の輪唱が続き、新入部員三人もそれに倣った。
15
新歓期最終日。
戦闘員である事を隠す必要がなくなったフェンシング部員達は、新入生を集めて入部式を行っていた。虚ろな表情をした新入部員は5名、彼等は哀れにも何も解らないまま肉体のみダークノアの一員として改造されてしまった犠牲者である。その内の一人が、伊吹に誘われてフェンシング部に入部する事になった金森だった。金髪坊主に眉のない、如何にもワルい容貌だったが、意外に純で一本筋の通った男であった。が、誘った当の伊吹に昨日犯され、戦闘員として改造されてしまった。
「ダークスウツになれ」
ザジルがそう言うと、抵抗も出来ずに汗だくのフェンシングスーツが全身タイツの様なダークスウツに変化する。金森は思考も感情も放擲して、異臭と快感に身を任せた。直ぐにエラの張ったカリが臍の手前に立ち上がり、イカ臭い匂いが鼻に届く。他の4人も同じだった。
「……ぁ……ダーク、様ぁ…」
新入生の誰かが『主』であるダークの名を呼んだ。快感が戦闘員に与えられるのは全てダークのお陰であり、金森もダークに忠誠を誓っていた。半ば強制的に、誓わされたのだったが。
5人とは別に、平川、伊吹、草刈の3人は既に最初からダークスウツであり、その逞しい肉体を惜しげもなく晒していた。
5人の新入部員に渡されていくのは、練習で使ったフルーレである。
「このフルーレを穢す事で、お前らは正式にフェンシング部の一員となる。既にダーク様の下僕として覚醒しているこの3人は、もう儀式は終わった」
ザジルがそう言うと、3人は自分のフルーレを取り出した。細長い刀身は黒紫に染まり、邪悪オーラを放っている。平川が串刺しにされて改造されたフルーレも、同じものであった。
「フルーレには、ダーク様の強いお力が与えられており、お前ら新入部員が真の戦闘員として目覚める為の鍵になる。さあ、どうすれば良いのか、わかるな?」
ザジルの問い掛けに、機械的に声を出す5人。フルーレを持ち、恐る恐るケツに鋭い先端を入れ始める。脳に刻まれたデータから、剣道部員達の改造にこの方法が使用されている事を体感的に理解させられる。ケツの穴の中にダークスウツを広げ、内壁が傷付かない様に細心の注意を払いながら、フルーレを柄まで完全に飲み込んでしまう。金森は思わず反り返り、淫靡な悲鳴を上げた。
金森の脳に新たなデータが書き込まれていく。それは、戦闘員としての『悦び』に関するものであった。邪悪な力に染まる悦び。邪悪な力に支配される悦び。邪悪な力を伝染させていく悦び。肉体的な悦びと精神的な悦びが強く刻まれる事で、虚ろな悪の奴隷は積極的な悪の手先に喜んで改造される。
「んああっ、お、俺も、犯してぇっ!!」「もっと堕としてくれぇっ!」「あーっ、淫乱にやり合いたいっす!!」「ダーク様に仕えられるのが、俺の幸せです」「身も心もダーク様の物に」「くううっ!!イキてぇ!!」「ぐおおおおっ!!」
一人、また一人とチンポとケツから潮を噴き、淫語を喚き立てる。ダークスウツや戦闘員の改造になされるがままだった彼等は、積極的にダークの力を身に入れる事で自発的に戦闘員としての役割を果たすように仕上げられるのだ。
「ダーク様っ、い、イキます!!あっ、あっ、ああああああっ」
黒いマラから黒い閃光が迸り、金森は一番最初に仕上げの儀式を終え、得意気にフルーレをケツから引き抜いた。自らの愛液に滴るそれは、禍々しい凶刃に仕上がっている。虚ろだった表情は、ダークへ仕える栄誉と誇りに満ちていた。
「入部おめでとう」
ダークスウツに覆われたたくさんの手が一斉に拍手をする。金森は汗だくの金髪坊主頭をガリガリ掻いた。伊吹には一歩遅れを取ったが、金森は戦闘員として彼に負けるつもりはなかった。反り返り脈打つ真っ黒なチンポが、ダークの意志を受け取った事を示している。同じく良き友であり、良きライバルとなるであろう仲間達が、続々と背後で覚醒していくのを金森は感じた。
数分後、新入部員8人は、邪悪なフルーレを掲げ、身も心もダークに捧げる事を誓った。互いのダークスウツを弄り、汗塗れの肉体を貪り、漆黒の精液にまみれた。こうしてS大学フェンシング部は新たなダークノアの端末として悪に堕ちたのである。この年から何も知らない新入部員達は例外なくこの儀式を通過し、良質な戦闘員へと改造と洗脳を施されるのであった。